ハンユン銀行会長との会合を終えたドヒョンは、イネのところへ。
「もうローンコリアの支配下にあると思います。」
「受け入れたの？」
「いいえ…。」
「今、このプロジェクトの成功のために残っているのはひとつだけ、とても重要な任務よ。ハン・ジンスさんを知っているわね？」
「銀行改革委員長の？」
「ええ、……、彼は今でも大きな政治力を持っているわ。私達がこの計画を遂行するためにも、この人を動かすことが一番重要なの。」
「ハン・ジンスは私がロビーイングできるような人間だとは思えません。」
「私も同じよ。でも方法がないわけではないわ。父さんに助けを頼んでみるわ。」

イネは、チェ代表と共にピルサンに会いに行きます。
「銀行を買いたいのか？お前が？おい、こんなことを言ってこいつは正気なのか？」
「簡単ではないかもしれませんが、不可能ではありません。」とチェ代表。
「お前が、会社を買ったり売ったりする腕があることは聞いていたが、銀行は別だ。欲しいからといって買えるようなものではない。」
「できない理由はありません。」とイネ。
「そんなに自信があるなら、やってみればいい。お前がどんな方法で銀行を買収するのか興味があるし、家族が銀行を持つのはいいことだ。」
「そのために、父さんの助けが必要なんです。」
「私のものは全部お前にあげた。他に何が必要だと言うんだ？」
「ハン・ジンスさんに、私が会えるようにしてください。」
「ハン・ジンス？あいつが必要なのか？なぜだ？あいつが銀行と何の関係があるんだ？」
「あの方の支持さえあれば、これが実現するんです。会えるようにしてください。あとのことは、私がやります。」
ピルサンは、チェ代表にハン・スンジの連絡先を訊ね、電話をするよう指示します。

誰かに（ソンジュン？）イネのことを電話するチェ代表。
そこにイネが現れ、彼は慌てて電話を切ります。
「キム・ドヒョンは今どうしている？期待通りに仕事しているか？」
「期待以上よ。チェ弁護士は本当に人を見る目があるわ。」
「それはよかった。だが、ひとつだけ気をつけたほうがいい。私が30年以上会長に仕えてきたのは、何というか…だ。だが、あいつは違う。彼は腹に何か持っている。もしかしたら、君を裏切るかもしれない。」
「そんなはずはないわ。」と立ち去るイネ。

イネはハン・ジンスと接触を持った後、ドヒョンに言います。
「準備したことを始めて！」
「それでは、許可がいただけたんですか？」
「さぁ…。私達のやり方にもよるけど、反対するとは思わないわ。」
「それを念頭に置いてスタートします。」と言うドヒョンに、突然、
「最近、ジョンヨンさんがどうしているか知ってる？」とイネ。
「いいえ。」
「ミョンジュンと会ってるわ。なぜそんなことをするのか理解できないの。」
何も答えず出て行くドヒョン。

ドヒョンは、ジョンヨンに電話をします。
「ちょっと出てきてくれないか。話があるんだ。」
「会う理由がないわ。話があるなら、言って。」
「ちょっとだけでいい。待ってるから…。」

現れたジョンヨンは、いきなり言います。
「話って何？これが最後よ。あなたに会うのは不愉快なの。だから早くしてちょうだい。」
「君は、ユ・ミョンジュンと会っているそうだな。ユ・ミョンジュンがどんな人間が知ってるのか？君が何を考えて…。」
「私がどうしようとあなたに関係ないでしょう。それが話したいことなら、もう聞く必要はないわ。」
そう言って席を立つジョンヨン。
「俺を傷つけようとしているのなら、別の方法にしてくれ。」
「私のことを知りもしないで大きな勘違いをし始めたようね。私がまだドヒョンさんのことを思い続けていると思ってるの？世界が自分中心に回っていると思わないで。そんなの思いあがりよ。」
「それならどうしてユ・ミョンジュンなんだ？あいつがどんな人間かわかっていないようだな。」
「わかってるわ。よくわかってる。おかしな噂はあるけど、ユ・ミョンジュンさんは何も問題ないわ。彼は、評判のいいあなたよりずっと私によくしてくれるわ。」

ピルドと契約書を交わしたテソン、そこにドチョルが。
ピルドを見て慌てて部屋を飛び出した彼に、「お金を返して！」とミスペク。
ドチョルは、財布から金を出し彼女に返すと、マンスにも小遣いを渡します。
驚くマンス。

時間を確認しながら、スタッフにスタンバイするよう指示するドヒョン。
そして、3時きっかりに全員で株を売り始めます。

テレビのニュースを見つめる作戦チームの面々。
「これで全部片付くぞ。」と言うジヌに、
「法的に問題はないのか？」とジャンソク。
「問題があったら、ドヒョンがやるか？さぁ、乾杯だ！」とジヌ。

イネ、ドヒョン達もニュースを見つめます。
「完全に成功よ！よくやったわ。」とイネ。

頭を抱えるハンユン銀行の重役達。
「長いことやってきたが、こんな衝撃は初めてた。誰の仕業だ？」
「……。」

部屋を出た秘書は、ドヒョンに電話を。
「お前の勝ちだ。こっちはめちゃくちゃだ。」
「よくやった。ありがとう。」
そしてドヒョンは、作戦チームに言います。
「さぁ、我々の最終作戦を始めるぞ。」
ジヌは、記者に電話を。
「お送りしたファイル、もうあれを公にして構いません。」
皆も一斉に同じ作業を始めます。

広まるニュース。
チョンジャは、テソンに言います。
「ニュース見た？ハンユン銀行、そのことで皆大騒ぎよ。私達がお金を預けている銀行でしょう！」
テソンは、慌ててミスペクに全額下ろしてくるようにと。
ミスペクとマンスは、銀行前の行列に並びます。

イネは、再びハン・ジンスのところへ。
「ハンユン銀行はもうおしまいだ。」
「私のせいだと信じているのですか？」とイネ。
「違うのか？」
「どうでしょうか。私にそんな力があるのかどうか…。」
「ハンユン銀行は破産するだろう。君ならそれができる。」

ハンユン銀行幹部は記者会見を。
「こうなった以上、銀行を売却してでも皆さまにお金をお返しします。」と会長。
それを見て歓声を上げるドヒョンの作戦チーム。
「ドヒョン、これでおしまいだろう？」と言うジヌに、
「祝うのはまだ早すぎる。ローンコリアが買い手として選ばれるかどうか、一番重要な決定が残っているんだ。」
そこに、ハンユン銀行の秘書から連絡が。

ドヒョンは、ハンユン銀行会長のところへ。
「私の将来を約束するという言葉、責任を持ってくれるのか？」と会長。
「もちろんです。銀行の買収にどれくらい支払うかによりますが、あなたは相当な額を得るはずです。我々の投資額が低いほど、あなたへの金額が大きくなるんです。」

そしてドヒョンはイネに報告します。
「買収先として、私のローンコリアが決定しました。」
喜びのあまり、ドヒョンに抱きつくイネ。
二人はシャンパンで祝杯を。
「こんなに驚いたのは初めてよ。あれほど不可能と思われた目標が、こんなに早く実現するなんて信じられないわ。すべてドヒョンさんの手腕のおかげよ。」
「私はただ教えられたとおりにしただけです。」
「私のトレーニングがあなたのような結果を生むのなら、私はウォールストリートを所有していたでしょうね。」
……。

そして作戦チームと勝利を祝い、酔って帰宅したドヒョン…。
「母さん、俺の今日の成功を見たか？思い出しても、本当にぐっとくる。皆に自慢したいよ。本当に自慢したいが、自慢できる人間が母さんの他に誰もいないんだ。」
涙を流しながら、演歌を歌い始めるドヒョン。

痛みを訴える患者に注射を打つジョンヨン。
しばらくして見回りにきた彼女に、老婦人の患者は言います。
「私のような患者に出会うと本当に大変でしょう。早く死ねば、看護師さんも楽よね。」
「そんなこと言わないでください。死ぬだなんて…。」
「もうあまり時間が残っていないことはわかってるわ。」
「これを飲んでみてください。あまり食べられないようですから…。」
「あら、ホドクじゃないの。」
「この前それを食べたいと言ってらっしゃったのを思い出して…。」
嬉しそうにホドクを食べる老婦人。
「それで、ご家族はどちらにいらっしゃるんですか？お会いしたことがないものですから…。」
「誰も会いには来ないけど、私のお金を待っている人間はたくさんいるわ。私には、イ看護師さんが一番よ。」

ドチョルは、ミランの友人達と…。
「どうしてあの人、あんなに垢ぬけないの？それに、教養もないし…。」
「そうよ、無教養で田舎者よ。」とミラン。
「それならどうして彼と付き合ってるの？」
「新鮮じゃない？」

トイレに行ったドチョルは見知らぬ男に声をかけられます。
「キム・ドチョルだな？一緒に来てもらおうか。」
逃げようとするドチョルですが…。
そして男達は、次にテソンのところに。
「キム・テソンさんでしょう？一緒に来てください。そうしないと怪我をしますよ。」

連れてこられたドチョルの前に、チェ代表が現れます。
「どうしてここに連れてこられたか、わからないだろう。」
「わかりません。」と怯えながら答えるドチョル。
「どんなつもりでユ・ミランと会っているんだ？」
「ただ、好きだから…。」
「君のような人間に彼女が相応しくないことはよくわかっているはずだ。」
「身分を気にしながら人を好きにるんですか？」
チェ代表は、いきなりドチョルに平手打ちを。
「そのとおりだ。君のようないい大人が、そんなこともわからないのか？これは、二度と彼女に近寄らないという誓約書だ。それを破ったら、今日のようなことではすまないぞ。」

待たされブツブツ文句を言うテソンのところに、チェ代表が。
「キム・テソンさん、以前はいい暮らしのように見えたが、今はだいぶ落ちぶれたようだな。こんな生き方をしていると、キム・ドヒョン弁護士の将来を妨げるだけだということをちゃんと知るべきだ。」
「どうしてドヒョンのことを？」
「ユ・ギジュン代表から奪った土地を返すんだ。」とチェ代表。

イネは秘書に言います。
「ドヒョンさんのことをマスコミに知らせるなくてはいけないわ。新聞、インターネット、雑誌…。」
「大きく広め過ぎるのは危険じゃありませんか？」
「いいえ。彼をスターにして、ローンコリアを有名にするのはいいことよ。」
そしてインタビューやテレビ出演を受けるドヒョン。

ジョンヨン達看護師を呼んだ老婦人は、スンデを差し出します。
「これはこの前のホドクのお返しよ。」
「ひどいわ。お祖母さんはお金持ちなのに、スンデだけなんですか？もっと高いものを買うべきよ。」
と言う同僚に、「高いものって何？」と老婦人。
「お金持ちの人だけが食べるもの、知ってるでしょう？」
ジョンヨンは、「私はスンデが好きよ。」と。

そのとき同僚がテレビをつけます。
そこに画面に映るドヒョンに驚くジョンヨン。そして同僚も、
「ハンユン銀行を乗っ取ったのは彼だったの？」と。
「いい男じゃないの。知ってる人？」と老婦人。
「イ看護師の元恋人なの。」
「それじゃ、捨てられたの？」
「イ看護師が彼を振ったのよ。こんなふうになるなんて、思いもしなかったわ。」

ソンジュンの秘書は、「キム・ドヒョンがテレビにまで出ました。新聞だけじゃありません。」
「私も見た。いいさ、頂点にいるんだから、そういうことも必要だろう。テレビに出た以上、彼を引きずり降ろそうとする人間も出てくるはずだ。今夜、シンイン銀行と会う約束をしてくれ。」
そしてソンジュンは電話を。
「ええ、見ました。心配なんかしていませんよ。勝負はこれからですから。」

ジョンヨンにピアノを聞かせるミョンジュン。
「どうだった？」
「いいと思うわ。」
「歌詞をつけて歌に仕上げたいんだ。」
「歌手になるの？」
「そうじゃないよ。ただ知っている人に贈りたいんだ。何か残したいけど、こんな風に生きてきたから何も残すものがない。自分が何を残せるか、最近、そんなことばかり考えるんだ。」
そして痛みに喘ぐミョンジュン。
ジョンヨンは、急いで鎮痛剤を注射します。
「僕がジョンヨンさんから受けることができるのは、鎮痛剤だけ、それが腹が立つんだ。」
痛みが治まり眠ったミョンジュンを見つめるジョンヨン。

新聞に載ったドヒョンの記事を読むジョンヨンの父ヨングク。
帰宅したジョンヨンに、彼は新聞を下に置きますが、
「私も見たわ。」とジョンヨン。
「そうか、テレビにも出ていたぞ。銀行を乗っ取ったと聞いたが、本当なのか？」
「よくわからないけど、そうらしいわ。」
「まったく…。彼がそんなのすごいやつだとは知らなかった…。」
「ゴールに向かってまっすぐ走る競走馬…。私達にとって、ゴールに向けた彼の決意は何の意味もないわ。だから、何も残念？に思う必要などないのよ。」

ハンユン銀行では、自分の将来を保証された会長が急いで売却を進めようと。
しかし、それに反対する重役達。
そこに金融改革委員長から電話が。
委員長は、ローンコリアではなく競争入札にするようにと会長に指示をします。

最後の詰めの指示を作戦チームにするドヒョン。
「まだほんの始まりだ。最後まで気を抜くなよ。OK？」
そこにハンユン銀行会長から電話がかかってきます。
「えっ？突然どういうことですか？相手が誰なのか教えていただけますか？」とドヒョン。

ドヒョンは、すぐイネに報告します。
「まず、競争相手が誰なのかを調べてみるつもりです。委員長が我々の側にいるのですから、それほど心配する必要はないと思います。」
「それは安心できないわ。」

電話に出ないテソンに苛立つチョンジャ。
そこにテソンを探すピルドが。

チェ代表に解放されたテソンとドチョル。
「こんな最悪の人生だなんて、父さんは一体どんな罪を犯したんだ？」
「自分の人生は、自分で責任を取らなきゃならんのだ。私を責めるな。」
「父さん、寒いよ…。」

ハンユン銀行会議室に並ぶドヒョン達。
「こんなに遅いのは、彼らは辞退したのでは？」とジヌ。
そこにソンジュンが「遅くなり申し訳ありません。」と入って来ます。
驚くドヒョン。

会長は話し始めます。
「ローンコリア代表キム・ドヒョンさん、シンイン銀行とIJインベスト代表ユ・ソンジュン代表、このお二人が競争入札を行います。我々の条件を書いたものを用意しました。」
まずソンジュンが口を開きます。
「最初に、ローンコリアが買収する能力があるかどうかを確認するべきではありませんか？韓国の将来を考えると…。」
「我々ローンコリアの資金のどの事実が疑わしいというのですか？」とドヒョン。
「それは見ればわかる。」
「最終決定は、これから2週間後にくだされます。それまでによい条件をお願いします。」と会長。

席を立つドヒョンに、声をかけるソンジュン。
「久しぶりだな、キム弁護士。いや、キム代表。裏をかいたりせず、フェアプレイで行きましょう。」
「既に、私の裏をかいたではありませんか。」とドヒョン。

ドヒョンは、イネに報告します。
「はい、ユ・ソンジュン代表です。ですが、そこにチャ・ヒョンミンさんもいました…。既に計画済みですから彼らを落とせます。自信があります。」
「ドヒョンさんを信頼しているわ。でもこれは家族の名誉を汚すことよ。」
「でも彼がこんな大きな戦いを挑んでくる理由は何なんでしょう…。」

ピルサンの家に集まるイネ達。
ギジュンは、ソンジュンに言います。
「おい、気でも狂ったのか？どうして一族同士の争いなんかできるんだ？」
「言葉に気を付けてください！どうして気が狂ったなどと…？」
言い争う二人を止めるピルサン。

「諦めてください。」と言うイネに、「諦めて欲しい？お前は諦められるか？」とソンジュン。
イネはピルサンに助けを請います。
「お前は、ソンジュンと手を組むことはできないのか？」とピルサン。
「それはできません。」とイネ、「なぜだ？」とピルサン。
「できない理由は、何百も何千もあります。でもここでそれを言う必要はありません。」
「俺もそんなことはできない。」とソンジュン。

そのときミョンジュンが、「止めてください。」と。
「皆自分が恥ずかしくないんですか？一体何のためにこんな醜い争いをするんですか？」
「黙っててくれないか。なんでお前が入り込んでくるんだ？」とソンジュン。
ミョンジュンは、ピルサンに謝ると部屋を出て行きます。

「お前達が一緒にできないというのなら仕方がない。邪魔はしないから、好きなようにやれ！」
そう言って、ピルサンも出て行きます。

早速新たな作戦を開始するドヒョン達。
「ハンユン銀行の理事は11名…。」
同じようにミーティングを開くソンジュンのチーム。
それぞれ理事の買収を開始します。

ドヒョンはイネに報告を。
「今までのところ、4人が我々を支持、一人が保留？しています。」
「それじゃ勝てないわ。」
「もし他の理事がユ・ソンジュンに投票するとすれば、決定票は、イ・テチョル理事？に委ねられます。」
「簡単な相手じゃないわ。プランはあるの？」
「直接ぶつかることだけが、前に進む唯一の道だと考えています。」
「うまくいかないときは？」
ため息をつくドヒョン。

ジャンソクは、イ・テチョルの資料をドヒョンに。
「彼は、商業高校卒業後そのまま入社しました。そして、仕事の合間に学位を取り、頂点まで上り詰めたのです。彼をよく知る社員に会いましたが、全員が彼のことが好きで尊敬しています。私の考えでは、彼には賄賂は効きません。誠実・正直だけが、彼にアピールすると思います。」

ドヒョンは、釣りをするイ・テチョルのところへ。
「たくさん釣れましたか？お茶をどうぞ。」
「もし私の票のためにここに来たのなら、時間を無駄にするだけだ。今でも私は反対なのだ。」
「心情はわかっています。」
「君が？どう理解しているんだ？この30年私がどう過ごしてきたか、君にわかるか？君が銀行を買収したら、どうなるかははっきりしている。私がどうして君のような人間に票を入れられるというんだ？」
「実を言うと、私は幼い頃からハンユン銀行の客のひとりでした。私の母は、市場で魚屋をやっていて、私テストで満点を取るたびに、母は私に魚の臭いの染みついた千ウォン札を1枚くれたんです。私はその金を市場に近い銀行に持って行きました。その魚の臭いのするお札を銀行の窓口の女性に渡すと、“あらあら今日はサバの臭いがするわ！”とか、“今日はイカの臭いよ！”と。今でもそのことを覚えています。そうやって貯めた金で、私は母の誕生日にジャンパーを買ってあげました。笑顔で私を抱きしめてくれた母を覚えています。ですから、私を金融論理だけで動く人間だと思わないでください。私は、ユ・ソンジュンさんのような財閥の出ではありません。魚の臭いのしみついたお札の価値をわかる人間と考えてください。」

そう言って、テチョルの前にひざまずくドチョル。
「お願いするために膝をついているのではありません。偽りのない真剣な約束をするためです。もしあなたが我々に買い取らせてくれるなら、人員縮小や再構築をしないことを約束します。あなたの目の中にある一番大切なことがわかるからこう言っているのです。どうか信じてください。」

そして2週間後、ドヒョンとソンジュンはそれぞれ自分達の買収条件をプレゼンします。

その後に行われた投票の結果を発表する銀行会長。
「意見が分かれ、会議が長引きました。それでは結果を発表します。ハンユン銀行は、ユ・ソンジュン代表のIJインベストが買収に最適だと判断しました。」
衝撃を受けるドヒョン…。

＊　電力は、その物理的な制約により隣接した事業者からしか融通を受けられない

＊　東電を支援できるのは、中部電力と東北電力のみだが、東北は被災地、
　　（北海道電力は既に東北電力への電力支援開始、その最大能力は60万キロワット）

＊　周波数の異なる中部電力からの支援は変電処理が必要で、その処理能力は最大100万キロワット
　　（関西以西の電力会社からも、ここを経由。そのすべての合計が100万キロワット）

北海道電力 　
「北海道と本州を結ぶ送電線（北本連系設備、設備容量：60万ｋＷ）の健全性が確認されたことから、本日より、被災地での電力不足を支援するため、本州方面に対して電力融通（最大60万ｋＷ）を開始しております」、ただし節電協力に関するコメントなし

関西電力 　
「節電に関するチェーンメールを送ることはございません」「（既に）最大限可能な範囲で電気の融通を行っております」「平素よりお客様には省エネ・節電にご協力を頂いておりますが、今のところ、お客さまに更なる特別な節電をお願いするような状況にはございません。」

中国電力 　
「11日夕方から、東日本地域に可能な範囲で電気の融通を行っております」「現時点でお客さまに節電をお願いするような状況にはなく、当社名で震災に関連してお客さまにチェーンメールを送ることはございません」

第6話
流星が落ちた日生まれた赤ん坊は逆賊だと考えるヨン・ゲソムン…。
しかしジュンサンは、生まれた子は「娘」だと答え、その追及を何とか逃れます。

イ・セミンをし止めようと出陣するヨン・ゲソムン率いる高句麗軍。
ジュンサンがヨン・ゲソムンの三足烏旗を使って敵を誘導し、
唐軍を遼河の下流、果てしない沼地・遼澤に追い詰めることに成功します。
皇帝になりすまし囮となるソ・リンギ、その隙に何とか柳城にたどり着くイ・セミンですが
ヨン・ゲソムンはヤン・マンチュンと共に柳城を攻めたてます。
結局、ヤン・マンチュンの矢で目を負傷したイ・セミンは、命からがら唐の都に逃げ帰ることに。

唐に勝利し高麗城に立ったヨン・ゲソムンはヤン・マンチュンに言います。
「流星が落ちた日生まれたテ・ジュンサンの子を殺す、王を殺す逆賊は排除する」と・・・。

第7話
ヤン・マンチュンは、「私が、テ・ジュンサンとその子を守る。」とヨン・ゲソムンにきっぱりと…。
ヤン・マンチュンの力をよく知るヨン・ゲソムンは、平壌城に戻った後彼を莫離支に推挙します。
ヨン・ゲソムンの意図が読めず、さらに5族（桂婁・ケル、消奴・ソノ、絶奴・チョルノ、順奴・スンノ、灌奴・カンノ）の反応に不安を感じるヤン・マンチュン。
ヨン・ゲソムンと対立するケジンは、重臣達を集めヤン・マンチュンを阻止するため行動を開始します。
その中心に立つプ・ギウォンは、テ・ジョヨンを取り上げた産婆を脅迫し嘘の証言をさせると同時に、
テ・ジュンサンの妻タルギとジョヨンを平壌城へと連れてこさせます。

プ・ギウォンらの陰謀に気づくヨン・ゲソムン…。
彼は、ヤン・マンチュンには遼東に帰るよう、そしてテ・ジュンサン一家には死罪を命じます。
しかし、ヤン・マンチュンは遼東に戻らず、テ・ジュンサン一家を助けることを決意、
コ・ゲサ達と共に、処刑場に向かうテ・ジュンサンの救出に向かいます。
「誰にも見つからぬ山奥に行き、そこでその子を育てるのだ。」とヤン・マンチュン。
テ・ジュンサンは言われるまま妻子と馬で逃げ出しますが、すぐに彼らを追いかけるサプグ…。
そして、いかだで河を渡ろうとしたテ・ジュンサンの背に追っ手からの矢が…。
剣を構え、妻タルギに生き延びろと叫びながら追っ手の前に立ちはだかるテ・ジュンサン…。

第8話
都城守備隊の前に倒れるジュンサン…。
ヨン・ゲソムンの元へ運ばれたジュンサンは、妻子は死んだと聞かされ、
命じられるまま万里の長城が見える高麗城の守備に向かいます。

しかし、タルギとジョヨンは海辺の漁師に助けられていました。
それを知ったヨン・ゲソムンは、タルギのところへ行き、「ジョヨンは自分が育てる」と。
そして、ジョヨンと二度と会わないことを彼女に誓わせるのでした。

その後長い年月が過ぎ、
唐では病弱なイ・チ（イ・セミンの実子）に代わって則天武后が実権を握り始め、
660年7月、唐と新羅の連合軍が三国の一国百済を滅ぼします。

ヨン・ゲソムンは、ジョヨンをケドンという名の奴婢として育てていました。
優勝すれば免賎となる崇武大会への出場を願い出るケドン、
しかしヨン・ゲソムン父子はそれを許しません。
諦めきれないケドンは、推薦状を書いてもらうため安士城ヤン・マンチュンのところへ。
彼の夢を諦めさせようと、遼東最強の武士コルサビウと試合をさせるヤン・マンチュン。
死に物狂いで戦うケドンは、コルサビウに勝利…。

まもなく唐から高句麗に和睦を伝える使者としてソ・リンギが平壌城にやって来ます。
和睦の印として、高句麗の姫と唐の皇太子との結婚を申し出るソ・リンギ。
猛反対するヨン・ゲソムンをよそに、プ・ギウォンはスギョンとの婚姻をポジャン王に提案します。

ヤン・マンチュンの推薦状を手に平壌城へ戻って来るケドン…。
「大将軍は、私に武将になれと言いました…。」と言うケドンに、それを破り捨てるヨン・ゲソムン…。

第9話
「なぜ自分だけがだめなのか理由だけでも教えてください！」と必死に頼むケドンですが、
ヨン・ゲソムンは、彼に棒たたきの刑を命じ、蔵に閉じ込めてしまいます。
ヨン・ゲソムンの行動に、ケドンの素性を怪しむチャン・サネとコム・モジャム…。

唐の使者として客宮に滞在するソ・リンギは、南部褥薩（ヨクサル）プ・ギウォンに、
二国の和平のためにと、国婚を強硬に反対するヨン・ゲソムンの暗殺を提案します。
それを受け入れたプ・ギウォンは、都城警備隊郎将サブグに暗殺の指示を…。

ヤン・マンチュン一行が遼東から到着、いよいよ崇武大宴が…。
何とか崇武大宴に出場しようするケドン、
しかしナムセンに見つかり、再び蔵に閉じ込められてしまいます。
そこに武器を取りに暗殺隊、さらに崇武大宴見たさに兵士に変装したポジャン王の姪スギョンも。

男達の話しからヨン・ゲソムン暗殺の企みを知ったケドンは、
刺客を倒し、立ちはだかるスギョンを振り切り試合会場へ向かいます。
フクスドルとコルサビウの試合が始まり、ケドンは物陰から刺客達の様子を…。
刺客を倒し暗殺を阻止しするものの、相手の毒の剣にかかり倒れるケドン。

第10話
ヨン・ゲソムンは、倒れたケドンを医院に運び治療を受けさせます。
必死に犯人捜しをするナムセン、ヨン・ゲソムンはプ・ギウォンの仕業に違いないと…。
ヨン・ゲソムンの態度を不審に思い、ヤン・マンチュンはチャン・サネにケドンのことを訊ますが、
「彼に興味を持つと大莫離支が嫌がります。これ以上何も聞かないでください。」とチャン・サネ。

ケドンから、そしてソ・リンギから自分達の悪事を知られることを恐れるプ・ギウォン達大臣…。
ヨン・ゲソムンは、自らソ・リンギを問いただしますが、
あくまでも知らぬと芝居をうつ彼を唐に帰るよう命じます。

意識を取り戻すケドン、ナムセンは彼から暗殺者のことを聞き出そうとしますが、
ケドンは何も知らないと…。

ケドンがテ・ジュンサンの子ではないかと推測、彼と話をするヤン・マンチュン…。
ジョヨン会いたさに、物陰から成長した彼を見つめ涙する母タルギ。

一方ソ・リンギは、ヨン・ゲソムンから受けた恥辱を胸に、捲土重来、高句麗征伐を誓って帰国の途へ。
彼の暗殺失敗の知らせを聞き、彼の処罰を皇帝イ・チに進言する唐の重臣達。

市場で偶然タルギを見つけたサ・ブグは、彼女に見張りをつけるとすぐにプ・ギウォンに報告を。
一緒に暮らす女に頼みケドンを呼び出したタルギは、
母であることを隠したまま彼の生い立ちを話します。
「公子様は、帝王の運気を持って安士城で生まれました。
父テ・ジュンサン将軍は、高麗城を守っています。
そして公子様の名前は、ケドンではなくヤン・マンチュン将軍がつけてくれたテ・ジョヨンです。
しかし、その名にふさわしい人になるまで、このことは誰にも話してはなりません。」
そこにサ・ブグが…。
捕えられ、拷問を受けるケドンとタルギ。

ギユクの尋問は続きます。
「弁護士として知っていると思うが、我々検事が事件を担当したら、まず最初に我々の持っている証拠が弱いか、あるいは確実かを感じ取る。それが政治的なものと関係があれば、なおさらだ。この事件を私がどう感じていると思う？私が持っている情報は、間違いなく完璧だ。つまり、そこに黙って座っていても何にもならないということだ。」
「これは違法行為じゃないのか？私が、君よりはるかに成績のいい弁護士だったということを忘れているようだ」
「忘れているものか。だから余計興味がわく。君がどうやってこの危機から逃れるか。忠告してあげよう。イ・チャングク議員がまた助けてくれると思っているんだろうが、あの人間にはもう何の力もない。君はもう、終わりだ。」

そこに先輩の検事が入って来ます。
「どうだ？」
「まだ何も…。」とギユク。
「おい、キム・ドヒョン。正直我々は君は何の関心もない。興味があるのは、イ・チャングクなんだ。彼が捕まれば、君はもう逃れられない。私は、君の先輩として言っているんだ。だからよく考えるろ。もう状況はわかっているだろう。間違った判断をすると、君の弁護士としてのキャリアは完全におしまいだ。」

ピルサンの家に集まるイネ達兄妹。
招集された理由がわからず不安を口にするギジュンに、
「兄さんが知らないのに、どうして俺がわかるんだ？」とソンジュン。
次にギジュンは、イネに言います。
「お前は、チェ弁護士が父さんの仕事だけを担当し、我々の面倒を見ないことを知っているだろう。我々には、一族のことをやってくれる人間が必要なんだ。…」
「何だ、何か問題でも起こしたのか？」と言うソンジュンに、声を荒げるギジュン…。そして、
「キム弁護士は、お前の会社の仕事だけしているんだろう？彼は本当に有能だ。」
そのときソンジュンが言います。
「イネ、お前、何か問題があるだろう。検察庁で聞いたんだが、キム・ドヒョンは今取り調べを受けている。知らないのか？かなり深刻な状況のようだ。彼の過去は、かなり込み入っているらしい。気をつけろよ。」

別室で、ミョンジュンはイネに言います。
「キム弁護士に何があったんだ？本当に検察に呼ばれているの？それでどうなるんだ？」
「あなた、キム弁護士にずいぶん関心があるのね。どうして気にするの？」
「彼は、姉さんが投資している競走馬だ。だから僕は、姉さんがその問題をどう処理するのかを知りたいんだ。もし本当に深刻な怪我をしたら、その競走馬は殺されると聞いている。姉さんもそうするの？」
「もし致命傷を負ったのなら、殺したほうがいいかもしれないわ。」
「それで、キム弁護士の状態はどうなんだ？」
「わからないわ。」
そこにミランが、二人を呼びに来ます。

VIP病棟で入院患者のチェックをしているジョンヨンに、ミョンジュンから電話が。
「予想していなかったことが起きたんだ。キム・ドヒョンさんの過去が探られて、今検察の調査を受けている。」
驚くジョンヨン。
「姉さんもキム・ドヒョンさんも深刻な状況だ。」

ジヌは、ドヒョンを迎えに。
「一晩中取り調べるなんて、どんな検事なんだ？違法じゃないのか？で、どうだった？」
「よくない。」
「だから何度も言ったじゃないか。ことが悪くなる前に、ユ代表に本当のことを言って、助けてもらうんだ。」
「ユ代表に知られてはだめだ。知られる前に、何とかするんだ。」
「検察が関わってきているのに、どうするつもりなんだ？」
二人の様子を監視、そしてイネに連絡する秘書。

ジヌは言います。
「もしイ・チャングク議員が狙いなら、検察の好きにさせるんだ。それならお前は逃げられる、それでいいじゃないか。」
「検察は、自白を得ようと餌を投げてきただけだ。俺が話したら、俺達は終わりだ。」
「お前が話さなくても、何も変わらないぞ。まったく頭がおかしくなりそうだ。」

TSモールで、ミョンジュンの治療をするジョンヨン。
「疲れていませんか？こんな状態でどうして仕事を続けているのか理解できません。」
「残り時間が少ないのに、どうしてこんな無駄なことをするんだと言っているのか？」
「そうじゃありませんが、もし私なら、仕事は辞めて治療を受けるか、何か意義のあることをします。でも何があろうとお金を稼ぎたいところを見ると、お金持ちは違う人種だなと思えます。」
「それは、君が僕をよく知らないからだ。僕は金もうけには興味がない。今仕事をしているのは、後始末だ…。僕の提案、考えてくれた？」
「最初から可能性のないことを、どうして考えたりできます？」
「どうしてだめだと思うんだ？」
「あなたのお姉さんに復讐するという私を、どうやって手伝うつもりですか？本当にそれができるんですか？」
「どうなるのかはわからないが、僕は誰かが姉さんの欲望を止めてくれることを願っているんだ。姉さんの生き方を見ていると、僕は押しつぶされそうで息もできない。ジョンヨンさんが僕の提案を受け入れてくれたら、僕は何でもできる。」

ドチョルは、ミランとTSモールへ。
「ここで、何でも好きなものを選びなさい。」とミラン。
「本気なのか？」
「私はちょっと他のところへ行ってくるわ、OK？」
大喜びで、あれこれ試着を始めるドチョル。

戻ってきたミランは、「田舎者を脱出したようね。これをつけて！」と彼に時計を。
「今度はどこへ行くんだ？」とドチョル。
「パーティよ。田舎者と付き合ってると話したから、友達が会いたがってるの。」
「おい、俺がサルにでも見えるのか？」
「そうじゃないのなら、どうしてそうやってるの？私の友達を楽しませてあげてよ。」

ドヒョンの作戦オフィス。
「影響を与えられそうな人間全員にあって来ました。名前の横に可能性を書いてあります。」
「あとは…だけですが、我々の力で彼らを説得するのは難しそうです。」

ジヌは、ドヒョンに報告します。
「お前の過去を掘り起こしているのは、この男だ。」とソンジュンの秘書の写真を。
「知っているだろう？」とジヌ。そしてジャンソクは、
「彼は、チャン検事の同級生。ユ・ソンジュンは、チャン検事のスポンサーだ。」と。
「お前の直観は正しかった。これは全部、お前を殺すためにユ・ソンジュンの計画したことなんだ。どうする？」
「早くこれを解決しないと、次は容疑者として呼び出されることになりかねない。」

チャン検事は、ソンジュンに訊ねます。
「キム・ドヒョンとどんな関係だ？」
「この前、俺が検察の調査を受けただろう。あいつが俺の背中を刺した奴だ。奴は簡単な男じゃない。だからしっかり頑張ってくれ。」
「心配するな。で、お前はどうなるんだ？聞いた話じゃ、インジングループの後継者は、お前じゃなくて義妹だそうだが…。」
「あぁ、その噂は俺も聞いている。だがお前も知っているように、俺の弟妹は、全部妾の子だ。あの老人がもうろくしない限り、そんなことは絶対にあり得ない。どんな手を使っても、俺がお前を検察庁長官にしてやる。俺に任せておけ。」
「その言葉だけでも、ありがたい。」
「言葉だけじゃないさ。俺のためにも、お前は長官になる必要があるんだ。」

検事は車を降り、秘書は、「うまくいきましたか？」とソンジュンに。
「俺が理由もなくスポンサーになると思うか？これでもう、キム・ドヒョンは逃げ道がない。」

ドヒョンは、イネのオフィスに。
「検察の捜査のほうはどうなった？私は、キム・ドヒョンさんにはっきり言ったはずよ。もし過去に問題があるのなら、それを私に話さなくちゃいけいと。でもどうしてそれを隠していたの？」
イネの言葉に口ごもるドヒョン。
「ハンユン銀行の乗っ取りが、私にとってどれほど重要か知っているはず。ローンアジアはあなたを信頼して、あなたに投資を任せたの。でも、ドヒョンさんが隠していた過去のせいで、すべてが崩れようとしている。」
「私が全責任を負います。成功させるためにあらゆる手を尽くします。」
「あなたが現実を認識できないとは知らなかったわ。状況がわからないの？どうやって全責任を負えると言うの？あなたは追い詰められた、それで一体どうやって成功すると言うの？…、これが現実なのよ、それで誰があなたに手を差し伸べると言うの？ソンジュン兄さんに、ローンコリアとローンアジアの両方が攻撃されるわ。いくらドヒョンさんの能力をわかっていても、こんな状況で私はドヒョンさんとはやっていけないわ。」
「代表。先にお話しできなかったことは謝ります。申し訳ありませんでした。ですが、このことがまた蒸し返されるとは思ってもいなかったんです。誰もこの件を持ちだすことはないと考えていたんです。だから、お話しませんでした。これを蒸し返したのは、ユ・ソンジュン代表です。代表、私はここで止めることはできません。自分の標的に一発も打ち込めずに引き下がるわけにはいかないんです。私がすべてを処理します。それができないのなら、自ら立ち去ります。」

ドヒョンは、イ議員のところへ。
「キム・ドヒョンと言ったな。どうして私に会いたかったんだ？」とイ議員。
「イ議員はご存じないかもしれませんが、我々には深い歴史があるんです。5年前、私はミョンイン社で働いていました。当時私は、与えら得た金で投資をしていましたが、後になってその金があなたに関係していたことを知りました。投資したものはすべて奪われ、そのとき私は人生の危機に直面したんです。」
「私には、状況が全くわからないが…。」
「これは私の考えですが、幸いあなたのお陰で、私は無事逃れることができました。」
「自分の言っていることが実に危険だということがわからんのか？」
「もちろん、あなたとお話しすることが危険だということはわかっていますが、あのときのことのために、私は今検察に取り調べを受けています。つまり、あなたも危険にさらされているということです。」
「5年前、私は君を知らなかったし、今も君と関係など持ちたくない。今日のことは何も聞かなかったことにする。」
イ議員は、こう言うと部屋を出て行きます。

金の採掘現場に出かけたテソン達。
彼は、金貸しのピルドに、金を取りだす工程を説明します。
さらに地図を見ながら、あたりの金脈について説明するテソン。
「この辺り一帯すべてに金脈が繋がっている。だがそれは私のものじゃなく、他人のものなんだ。たとえ金を見つけたくても、私にはその土地を買う金がない。だから、始められないんだ。だからピルド、お前があの山を買うんだ。俺が金を見つければ、俺達は間違いなく金持ちになれる。金が高騰しているのを知っているだろう？どうだ？俺と組まないか？」

部屋に戻ったドヒョンは、冷たいイネの言葉を思い出します。
そして再びギユンの取り調べに。
「時間がない、だから早く終わりにしよう。結果はわかっているんだ。お互いを引っ張り合う必要などないだろう？」と言うギユンに、
「君に言うことは何もない。チャン検事を呼んでくれ。」とドヒョン。
「まだ状況がわかっていないようだが、君はああしろこうしろと言える立場じゃないんだ。まずは君の個人的なことから話を始めよう…。キム・ドヒョン、こんなふうに私と戦っても、何もいいことにはならない。」
「ユン検事、君は間違ったラインに立っているんだ。君はまだ僕の相手じゃない。だから、チャン検事を連れて来るんだ。」

こうしてチャン検事が現れます。
「私に会いたいそうだが…。言いたいことがあるなら、話せ。」
「ユ・ソンジュンさんと同級生でしょう？ユ・ソンジュンさんから私のことを見つけたように、私もあなたとユ・ソンジュンさんのことであるものを見つけました。見てください。」
そう言って、封筒を取り出すドヒョン。
「…………。覚えていないかもしれませんが…。」
「私を脅迫するのか？」
「…………。私の見る限り、あなたは有名人になるという大きな夢を持っているようです。夢が大きいと、その人は大きなものを失います。ユ・ソンジュンさんと私は、最後まで戦うことになるでしょう。検事さんのその手腕で私の邪魔をしないでください。私は、あなたのその手腕がだめになることを心配しているんです。」

チョンジャにいきさつを説明するテソン。
そこに、ピルドが契約にサインしたとマンスが知らせに来ます。
大喜びの三人…、そこにピルドから電話が。
「契約にサインしました。これからどうすればいいんですか？」とピルド。
「あぁ、慌てることはない。会って詳しく話をしよう。」とテソン。

事務所に戻ったテソンは、ドチョルの居場所を娘に訊ねます。
「女に会いに行ったんだと思います。」とミスぺク。
驚くテソンに、マンスは、
「兄貴、うまくすれば、財閥の娘の義理の父親になれるかもしれませんよ。ドチョルは今、ユ・ピルサンの末娘と一緒なんです。兄貴にそっくりですよね。」

ミランとドチョルの写真を見たチェ代表は、深くため息を…。
「これ以上噂が広まらないように、うまくやってくれ。」と。

ジヌとジャンソクは、ドヒョンを迎えに。
「ドヒョン、どうだった？逃れられそうか？」
「あぁ、そう思う。」とドヒョン。
喜ぶジヌに、「本当に終わったのか？」とジャンソク。
「奴が俺達と一緒に死ぬことを望むなら、一緒に死ぬしかない。でもそう思うか？」
そして、パーティをやろうと言うジヌに、
「パーティは後だ。ローンアジアに行ってくる。」とドヒョン。

スタッフミーティングの席で、イネはソンジュンと手を組んだ男に言います。
「少し変よ。何か問題があるの？」
「いえ、ありません。」
「問題ないと言うけど、あなたのやり方は私達に害を及ぼすわ。ロードショーのことは、スティーブン、あなたが担当してちょうだい。」

そこにドヒョンが。
「すべて片付いたの？」とイネ。
「はい。もう今後このような問題は起きません。」
「一体どうやったの？」
「ただ彼らのやり方と同じように攻撃し返しただけです。代表に見捨てられるんです。私が他に何を恐れるんです？これで一緒にやっていけますか？」
「このために遅れたすべてを終わらせるなら、すぐに動かなくちゃいけないわ。」とイネ。
「はい、頑張ります。」と笑顔で出て行くドヒョン。

イネはすぐに電話を。
「私よ。ドヒョンさんは片づけたそうよ。私も今ちょっと驚いてるわ。いえ、驚いただけじゃない……。いつか彼をコントロールできなくなることはわかってる。」

チャン検事を怒鳴りつけるソンジュン。
「おい、そんなことで済むと思ってるのか？検事として恥ずかしくないか？」
「恥ずかしいが、ひとつだけ言わせてくれ。これは検察ではなくお前が始めたことだ。だから、私は何も言えなかったんだ。だが、奴は本当にすごい。どうやって見つけたのか知らんが、奴は私の検事としての過去をすべて知っている。」
「キム・ドヒョンと仕事をしている奴らは、その道のプロとしてヨイドでは有名です。」と秘書。
「お前、ここで終わらせるつもりか？」
「仕方ない。キム・ドヒョンがこうしてきた以上、これ以上関わりあうと私が怪我をする。だが、こんな風に引き下がるわけにはいかない。彼の監視を続け、何とかするつもりだ。とにかく待ってくれ。」
頭を抱えるソンジュンに、秘書は言います。
「私が別の方法を見つけます。」
「もういい。奴の尻尾を捕まえている時間はないんだ。ただハンユン銀行の動向だけ注意していろ。」

ドヒョンは、母親の納骨堂に。
「母さん、あんたの息子はよくやったか？去年はアメリカにいたから、挨拶に来られなかったんだ。悪かった。母さん、俺は変わっただろう？俺がものすごい金額を稼いでいることを知ったら、嬉しいか？まだ、金の歌を歌っているのか？もうため息をつくな。あんな歌を歌わなくても、俺は来年億万長者になって戻って来る。過去のことはすべて捨て去って、新しいビルを建てるか？母さん、俺がビルのオーナーになることを願っていただろう。」

出てきたドヒョンと入れ替わりに納骨堂に入るテソン。
ドヒョンは物陰からその様子を見つめます。
「すまない。今頃やって来る俺に会いたくないことはわかっている。ただ少なくともこうすることで、お前の心を解きほぐしたかったんだ。こんなことでそう容易く解消されるものではないだろうが…。」

ドヒョンの姿に驚くテソン。
「どうしてここにいるんだ？」とドヒョン。
「あぁ、それはただ…。そう、ドチョルを助けてくれてありがとう。」
「何を言っているんだ？」
「彼を出してくれただろう？」
「俺はそんなことはしていない。じゃぁ…。」と立ち去るドヒョンに、テソンは、
「おい、どうして結婚しなかったんだ？ジョヨン、あの娘はいい子じゃないか。」
「どうしてジョヨンを知っているんだ？」
「お前の結婚式の日、お前が事故に遭った時、彼女に会ったんだ。俺は一目でわかった。あの娘と別れたら、後で後悔するぞ。」
ドヒョンは何も答えず立ち去ります。

ドヒョンにイネから「ワインを一杯どう？」とメールが。
彼はイネの自宅に向かいます。

「この前の私の言葉に腹を立てたでしょうね。」
「自分が犯した過ちですが、私を放り出すと冷たいことを言う代表を見るのはショックでした。」
「私はあなたをずっとトレーニングしてきたわ。たぶんそれで…。」
「重要なのは、この状況から私は代表との関係を考え直すことができたことです。代表が私に与えてくれた機会は、とてつもなく大きいだけでなくとても恐ろしいことだと…。私が続けられなければ、代表はいつでも私を放り出せるとわかったんです。」
「そんなことには、絶対にならないんじゃない？他のことを話しましょう。新しい女の子を紹介しましょうか？ドヒョンさんの仕事を助けて、よく世話をすることができる子を…。」
「今はそんなことに関心はありません。」
「どうして？まだジョンヨンさんを想っているの？」
「私は代表から認められようと頑張っていますが、誰か知りあいを紹介するというのはやり過ぎでしょう。どうしてこのことを気になさるんですか？代表は、自分の問題は愛情を信用できないことだと言いました。」
「私の父はお金に貪欲だったけど、女性に対してもそうだったわ。そんな父さんを私は何よりも憎んでいた。私の人生に、ある人がいたわ。あまりにも傷ついたから、口に出すのも辛いけど…。たとえ愛が傷つくものだとしても、残った傷は深くなかなか消えないものよ。それから私は、自分の病を治そうとはせず、代わりに仕事をしてきたわ。」
「私は金持ちになろうと頑張り続けていますが、代表はすでにその場所にいるのに、それは何のためなんですか？」
「私にもわからないわ。続けていればいつかわかることよ。最後に答えを見つけるわ。」

ドヒョンは、作戦チームに言います。
「それぞれ自分の仕事を終わらせて見直すんだ。」
「ハンユン銀行とはいつ会うんだ？」とジャンソク。
「電話を待っているんだ。」と言うジヌに電話が。
「トンハホテルの中華料理店、12時だ！」とジヌ。
こうしてチームは作業を始めます。

ドヒョンは、ハンユン銀行と重役との会合へ。
「ヘッジファンドのことはいろいろ聞いているが、ローンコリアは初めて聞く名だ。」
「会社を興してまだ日が浅いものですから。」
「私に会いたいというからには特別な理由があるのだろう。話してみなさい。」
「我々ローンコリアは、ハンユン銀行を買収するつもりです。」
「それは冗談だろう？」
「どうして冗談など言えますか？本気でハンユン銀行を買収したいのです。」
怒って席を立つ重役…。
「すぐにまた会うことになります。」とドヒョン。
そして彼は、ジヌに「始めるぞ！」と電話を。


昔の仲間に書類を渡すジヌ。
「これは、ハンユン銀行のファイルだ。……。」
そして彼は、よろしく頼むと男に金を渡します。
「ハンユン銀行と何か問題があるのか？」と男。
「そこまで知る必要はない。それじゃまた会おう。」とジヌ。

他のスタッフも同様に…。書類を見た男は、
「これがマスコミに知れたら、ハンユン銀行は攻撃の的になるな。」

ハンユン銀行の会長に事態を知らせる男。
「………。全部で13500万ウォン？です。…。」

そしてローンアジアのスタッフも動き始めます。
「だがなぜ今銀行を変更するんだ？」
「我々は代表の命令に従っているだけです。」
「投資した金額は、すべて引き上げます。」

ギジュンは、チェ代表のところへ。
「あいつらはどうなった？始末したのか？」
「いや、まだだ。」とチェ代表。
「どうしてだ？もしやってくれないなら、私が人を呼んで始末する。」
「キム・テソンは、私とつながりがあるんだ。私があの土地を買った時、彼もあたりをうろついていた。彼が金でなくあの土地を望んだなら、それは何か理由があるはずだ。」
「あいつは、キルギスタンで金鉱を探していると言って私を騙したんだ。」
「金鉱の話は嘘じゃない、本物だ。」

ジョンヨンは、ミョンジュンの自宅へ。
「症状はどうですか？」
「薬がなくても生きていられる。いい状態を、薬で壊したくないんだ。出かけよう。」
「どこへ？」
「どこへでも…。部屋で治療を受けているより、外へ出かけるほうがよくないか？」
こうして二人は外へ散歩に出かけます。
「ジョンヨンさんは、どうして看護婦になることにしたの？」
「特別な理由はないわ。看護師になった後、そう悪い選択じゃないと思ったわ。医師より多くのことを知っているのにと思うこともあるけど、それはどうにもならないし…。」
「ジョンヨンさんが、その医者達に復讐するなら、簡単だろう。………。」
「そんな力があるの？」
「そうしなきゃいけないなら、少なくとも僕はできる。」
「つまり、ユ・イネ代表に復讐するのは難しいと言ってるの？」
「簡単じゃない。彼女は僕の姉だからじゃなくて、弱点がないからだ。」
「誰かにユ・イネ代表の欲望を止めて欲しいと言ったけど、どうやって彼女の欲望を止めるの？」
「まず彼女に大事なものを失わせる。」

ミョンジュンに注射をするジョンヨン。
そこに家政婦が、イネが来たことを知らせにきます。
「行こう。姉さんに会うこともできなくて、どうやって復讐するつもりなんだ？」とミョンジュン。

「どうしてジョンヨンさんがここにいるの？」と二人の姿に驚くイネ。
「僕達友達になったんだ。」
「いつからなの？」
「いつから？ミランが病院にいるのを訪ねていったとき、一目ぼれしたんだ。それから彼女のあとを追いまわしていた。友達になってからそれほど経ってないけど。」
「彼の言っていること、信じていいの？」とイネはジョンヨンに。
「はい。」
「驚いたわね。こんなことがあるなんて…。」
「何か問題が？」と言うミョンジュンに、「ちょっと話しましょう。」とイネ。

ミョンジュンの部屋で、イネは言います。
「ジョンヨンさんが誰だか知ってるの？ドヒョンさんの婚約者だったのよ。」
「知ってるよ。だから何？僕が幸せならいいんじゃないの？」
「ジョンヨンさんもあなたを好きなの？」
「まだわからないけど、そのはずだ。友達になりたいって言ってるから。」
「信じられないわ。キム弁護士が私のところへ来たことを知っているのよ。」
「それが僕と何の関係があるんだ？僕が彼女を好きなんだ。僕の恋愛に干渉して欲しくない。」

イネは、ジョンヨンに言います。
「あなたの目的は何なの？私が自分から言わなくちゃいけない？私には、あなた達の関係が理解できないわ。ミョンジュンから離れて。」
「話を聞いていると、前に代表に言われたことを思い出します。私がドヒョンさんを自由にしてくださいと頼んだとき、代表はこう言いました。大人の人間の感情をどうやって私がコントロールできるの？それはドヒョンさんが決めたことで、代表がドヒョンさんを捉まえているわけじゃないと。それは私にも言えることです。ミョンジュンさんが私を好きなのは彼の意思で、私が彼にそうさせているのではありません。」
睨みあうイネとジョンヨン。

ジョンヨンを見送るミョンジュンは、「どんな気分？」と。
「わからないわ。ただ、今やっと息ができるような…。」
「それはよかった。」
「でも、これが復讐だというのなら、私にはユ代表を負かす能力はないわ。ただ彼女の感情を乱すだけで…。」
「君はもう既に姉さんに何か大事なものを失わせているんだ。姉さんは僕を失うんだから…。」

一人考えながら歩くジョンヨン…。そこに父ヨングクが。
二人は屋台で飲み始めます。
「私がお前に与えたのは、酒を飲むことだけのようだ。」
「それは感謝しているわ。」
「誰でもその能力を持っているわけじゃない。」
そう言って、ドヒョンが歌っていた演歌を歌い始めるヨングク…。

ジヌは、「出てきたぞ！」とドヒョンに新聞を渡します。
「ハンユン銀行、危機説！」と書かれた記事を読むドヒョン。
ジャンソクは、「もっと厳しくやるべきじゃないか？」と。
「いや、まだ攻撃の時じゃない。待つんだ。」とドヒョン。

株価の動きを見つめるソンジュンに、秘書が
「ハンユン銀行の株の動きを見ましたか？下がり続けています。引き上げますか？」
「いや、まだ始まったばかりだ。少し待とう。」

そこに、イネのスタッフの男が。
「ハンユン銀行の記事を見たが、いよいよ始まったのか。」
「はい、キム・ドヒョンがやっているんです。本当になさるおつもりですか？」
「もちろん。準備はしてある。キム・ドヒョンが私にしたように、今度は私が奴を後ろから刺してやるんだ。君も私と同じ船に乗るんだろう？」

ハンユン銀行会長は、キム・ドヒョンに会いに行きます。
「一体何が目的だ？」
「ハンユン銀行を渡してくだされば、我々が片づけます。我々に力を貸してくださるなら、あなたの将来は保障します。」
「黙れ！」

子役から大人の役者に移って、少し勢いがそがれた感がありますね。
特にトンニョは、チン・セヨンの印象が強く、ハン・ジヘに違和感と物足りなさを感じます。
チョン・ジョンミョンも同じ…。
その眼に悲壮感はありますが、子役のノ・ヨンハクが表現していた情熱がやや足りないような。
育ちのいいお坊ちゃんのような雰囲気で、クィドン役のほうがよかったのでは！？！＾＾


一方、私は初めてのイ・サンユン、そしてソ・ヒョンジンはとてもいいですね。
すんなり子役を引き継ぎ、タリ、クィドンを上手く演じていると思います。


それにしても、クィドンの働く捕盗庁はまるで漫画のよう…（＾＾）
シリアスなドラマにコミック要素はいらないという考えの私ですが、
ここでのシーンには、つい笑ってしまって…＾＾

そしていまだ変わらぬチョンドゥンとクィドンの友情には感動させられて…！

さて物語は大きく動きました。
カン砲手が戻り、あのトカブまでが彼の手助けをしていることを知るチョンドゥン、
そしてトカブのせいでトラブルに巻き込まれるチャンゴッチ、
クモクとの結婚を勧めるトンニョ…、
クィドンは、クモクの首にある赤い痣が気になり始めます…。

第13話の字幕が待ち遠しいです（＾＾）

あらすじ・レビューはこちら！

公式カフェ：第11話
公式カフェ：第12話

チャイミのベッドストーリー　11回-カン砲手の登場がうれしい理由
チャイミのベッドストーリー　12回-一歩の銃声がチョンドゥンを起こす

父の病室を出て来たジョンヨンに、声をかけるドヒョン。
「父さんのこと、すまなかった。父さんに伝えてくれ。俺が、父さんの作業所を必ず再開すると…。」
「それで私に感謝しろとでも…？走っているときに前しか見ない人が、どうして後ろを振り返るの？同情なの？これがあなたの夢で、あなたが欲しかったものなの？そうだったのなら、ずっとそうするべきだったのよ。どうして私を混乱させるの？どうして父さんを苦しませるの？ドヒョンさんの正体はわかったから、もう仮面を取って好きなように生きてちょうだい。」

部下は、イネに報告を。
「結果として、護衛の者たちが来て、抗議者達を解散させました。数名怪我人が出たようです。」
「怪我の状態は？」
「ご心配いりません。」

そしてイネは、酒を飲んでいるドヒョンのところへ。
「うまくやったのに、どうしてそんなに落ち込んでいるの？」
「ただ、気分がよくないんです。現場で、ジョンヨンと父親に会いました。父親があそこの下請けの一人なんです。父親が抗議をしているところへ彼女がやって来て、彼が殴られているところを見てしまったんです。でも私は動けなかった。ジョンヨンの目を見たら、いつでも戻れると思っていたものが、もう後戻りのできない橋を渡ってしまったとわかったんです。」

イネは言います。
「あなたの気持はわかるような気がするけど、どうしたらいいのかしら…。でもいいことだと思うわ。私がこんなアドバイスをしていいのかどうかわからないけど、あなたのトレーナーとして言わせてもらえば、ジョンヨンさんは決して変わらないわ。もし彼女のところに戻るなら、あなたは自分の夢を変えなくてはならない。それができる？ジョンヨンさんは、あなたがずっと前に捨てるべきだった過去に過ぎないの。過去を忘れることを祝って、あなたにプレゼントをするわ。私がインジングループを相続したがっていたときに、あなたが断れないものをと言ったでしょう。覚えてる？今がそのときだと思うの。あなたが提案したこと、やってみて。」

部下達にイネは問いかけます。「ローンアジアが韓国に来て何年になる？そのゴールは？」

次々に答える部下達。
「6年です。」
「韓国に王国を創ることです。」
「そのゴールのために準備をしてきたこと、それをスタートしましょう。」とイネ。
ドヒョンは、スタッフに資料を配ります。
「最初のターゲットは、ハンユン銀行よ。今日からドヒョンさんは、ゼネラルパートナーとなるわ。ドヒョンさんが乗っ取りの計画をリードするから、協力してあげてちょうだい。」
驚くスタッフ達。

ミーティングの後、一人のスタッフがイネにクレームを。
「全く理解できません。あの男に力があるとお考えなのはわかっていますが、この仕事は大き過ぎると思います。さらに、ドヒョンさんにゼネラルパートナーのポジションを与えるなんて…。」
「私が彼にその地位をあげた理由は、まず、韓国の銀行の乗っ取りは、金融の手順ではなく政治的なものなのよ。ロビーイングと裏取引によってのみ達成されることなの。ヨンミン？さんとあなたのチームは、私の円卓の騎士…。素晴らしいものを生み出す金融のプロよ。でもロビーイングや裏取引には慣れていないでしょう？私の言っていること、わかるわね？2番目に、韓国は男同士の横のつながりに占領された国なの。あなた方円卓の騎士達は全員アメリカの大学だけど、キム・ドヒョンの同窓生達は今や政治や金融の高い地位に就いている。そういったコネを十分活用できるのは、キム・ドヒョンなの。他にも理由が必要かしら？」

チェ代表は、ソンジュンに資料を渡します。
「急いでやらなきゃいけないことは、キム・ドヒョンとイネの計画を撹乱することだ。これは、彼を雇う前に私が調査し集めた情報だ。これを読めば、彼のアキレス腱がわかるだろう。それで好きににやればいい。」

喫茶店のドチョルとマンス。
その店に来ていたミランを見つけたドチョルは、
「あの女のことはちょっと知っているんだ。ユ・ギジュンの義理の妹で、ユ・ピルサンの末娘のユ・ミランだ。」
「どうして知ってるんだ？」
「あの一族のことを調べたのさ。」
「どう見ても、財閥の娘には見えないが…。」
ミランをものにしようかとドチョルにマンスは、
「チョンジャはあいつを落とせるが、お前にどんな技がある？」
「もし俺が勝ったら？」
「俺の取り分全部を賭けるさ。お前が負けたら終わりだぞ。」
連絡が入り、店を出て行く二人。

そして二人は、ルームサービスを装い、ギジュンとチョンジャの泊まるホテルの部屋に入ります。
慌てるギジュンに、マンスは言います。
「ユビンさんだと？チョンジャ、お前一体どうしたんだ？恥を知れ。お前がこんなことをするために、俺は金を稼いでいるのか？」
そしてチョンジャは、ドチョルを「ヨボ！」と。
「全部写しておくんだ！」とマンス。
ドチョルは、バスローブ姿のギジュンとチョンジャをカメラにおさめます。

テソンは事務所に。
「お父さんは元気かね？」と言うテソンに、チャミは
「はい。でも、いつ金を掘り出すのか聞いてこいって…。」
「あぁ、…、予定通り進んでいると伝えてくれ。」？

そこにチョンジャ達から連絡が。
「そうか、よくやった。…、あまり欲張ってはいけないと何度言ったらわかるんだ。ただ怖がらせればいいんだ。」

部長に呼ばれたジョンヨンは、そこで入院してくるVVIPの担当を命じられます。
「彼は直接病院に来られるような立場の方ではないから、君が彼の家に行かなくてはいけない。注射やIV輸液は私が用意する、どうかよろしく頼む。」
そして彼女が出向いた先は、ミョンジュンの高級アパート…。

「治療が必要だと言ってきたのはあなたなの？一体何をしようとしているの？」
そう言って部屋を出て行くジョンヨン。
激しい痛みにもがき苦しむミョンジュン。
家政婦に呼び戻されたジョンヨンは、すぐに治療を開始します。

ようやく落ち着いたミョンジュンに話をするジョンヨン。
「痛みはどうですか？」
「もうよくなったよ。怒らせたのなら、悪かった。まさかジョンヨンさんを寄越すとは思いもしなかったんだ。」
「病院へ行きましょう。今のあなたの症状は…。」
「できる限りのことはしてきたんだ。アメリカで手術も受けた。それに病院にいたら、僕のイメージが悪くなるだろう。病院の先生以外、誰も僕の症状を知らないんだ。頼む。それと、先生に他の看護師を寄越すよう頼んでおくから…。君はもうここに来る必要はない。」
「もし私の代わりに別の看護師が来たら…、どうせもう知ってしまったのだから、私がやります。もちろん、あなたが嫌ならできませんが…。」
「いや、たとえこんな状況でも、いつも君に会えるのは嬉しいよ。」

ドヒョンは、研修院時代の友人ハン・ジャンヒョクをジヌ達に紹介します。
そして皆に、「銀行を揺さぶりたいんだ！」と…。
笑いだすチームの面々。
「我々がこれから揺さぶる銀行は、ハンユン銀行だ。」
「それを揺さぶってどうするつもりなんだ？」とジヌ。
「手に入れるんだ。」と言うドヒョンに、ジャンソクが言います。
「俺の知る限り、ハンユンには世界に500の支店があって、世界の6番目か7番目にランクされているんじゃないか…。」
「それを可能にすることが、今回の仕事で目標なんだ。ＯＫ？」

行動を開始するアジアローンのスタッフ達。

ドヒョンは、作戦チームに説明を！
「ハンユン銀行は、テサンモーター、アニョン電気、チョン建設のメインバンクだ。我々がこれを手に入れることができれば、彼らがしていることのすべてを支配できることになる。そしてこれが現在のロビーにいる人間のリストだ。」
「どっちのロビーのことですか？」
「ローンアジアは、通常のルートで銀行を買うことはできない。だが、ハンユン銀行が破産したら、話は変わってくる。このリストの人間は、ハンユン銀行を破産させることになる。ある人間は情報で、またある人間はその権力で…。だからお前達は、このリストの人間すべてを調査しなければならない。わかるか？ジヌ、お前は可能性に基づいて分類し、最終ロビーリストを作成してくれ。」
「わかった。ミンチャンと…は、名簿に目を通してくれ。」とジヌ。

ドヒョンはイネに報告に。
「ロビーリストに沿ってもう開始しました。」
「このロビーイングのために、大勢の人に会って話をする必要があるけど、決定の鍵は、権力のある人によってなされるわ。私がインジングループの後継者になることを決めた理由、わかってるでしょう？」
「会長が不動産に800億ドル投資していたからでしょう？」
「そのすべてを、私はこの計画に注ぎ込むつもりなの。ドヒョンさんを信じて投資するわ。がんばって。」
「失敗することなどありません。」

ジヌの連れてきた昔の友人に会うドヒョン。
銀行員だという友人に、ジヌは
「ローンアジアのGPなんだ。俺達が一生かかって見る金が、奴の給料なんだ。」
「俺のような男とは対照的だな。」と友人。

友人を接待しながら、ドヒョンはさりげなく話を切り出します。
「今度お前のボスに会わせてくれないか？ちょっと仕事のことで。」
「俺がお前なら、やはり俺のボスに会いたいだろうな。よし、今度席を設けてやる。」

今度は山へ出かけるジヌ達…。
彼らは一人の中年の男のあとをつけ、彼の鞄をすり替えます。

ソンジュンは、イネのスタッフを引き抜こうと…。
「単刀直入に話させてもらおう。私は君がローンアジアで貰っている金の2倍出すから、一緒に働かないか。ローンアジアに比べたら我々はまだ小さいが、力はある。」

秘書からそのことを知らされたイネは、「それで彼は結論を出したの？」と。
「いいえ、今のところオファーを受けるつもりはないようです。どうしますか？」
「しばらく様子を見ましょう。」

そこへミョンジュンがやって来ます。
「その顔色はどうしたの？何かあったの？」とイネ。
「コンディションは悪くないよ。」
「病院は？」
「心配することはないよ。」
「実家にはいつ行った？」
「だいぶ前…。どうして？」
「私に内緒で、父さんはソンジュン兄さんに大金をあげたの。つまり、またソンジュン兄さんが、父さんに取り入るかもしれないの。」
「相続の件はもう解決したんじゃなかったの？」
「いいえ、そうじゃないわ。相続の書類はまだ処理中だから、父さんが死ぬ前ならいつでも変えられるの。あなたも自分を守らなくちゃだめよ。私が守れることにも限界があるから。自分の能力をはっきりと証明しないと、TSモールもあなたの相続分も何も保障できない。」
「それなら、ただ諦めるさ…。僕は、正直言って姉さんのことがわからないんだ。輝かしい実績を上げてきて、父さんから莫大な財産を相続する。他に何を得ようとしているんだ？」
「もう忘れたの？非嫡出ということで、屈辱のすべてが私達に課されたわ。だから、その苦痛を跳ね返すために私はずっと動いて来たの。まだそこまでは行っていないのよ。ある人は、コンプレックスと診断するかもしれないけど、仕方がないわ。とにかくどこへ向かうのかわからないけど、止まることはできないのよ。」

ミョンジュンは、廊下でドヒョンに声をかけます。
「キム弁護士、お久しぶりです。ちょっと問題を片づけてもらえませんか？」
「あぁ、申し訳ありませんが、ローンアジアの仕事に忙殺されているもので…。チェ弁護士と相談してください。では…。」とドヒョン。
「チェ弁護士より、キム弁護士にそれをやってもらいたいんです。」
「担当しているプロジェクトのせいで、時間が取れないと思います。」
「小さい頃こんな本を読みました。ある国の王子が、サルを飼っていました。彼はサルにきれいな服を着せ、人間のように二本足で歩くことを教えたんです。サル自身も、自分が人間だと思いこみました。でも、ビーナッツを投げられたサルは、どうしたと思います？自分が人間だと勘違いしたサルは、膝で這って行って地面に落ちたピーナッツを食べたんです。結局、サルはサルなんです。」
「どうしてその話を私に？」
「突然、頭に浮かんだんです。」と立ち去るミョンジュン。

ギジュンは、マンスに封筒を…。
「さぁ、全部君達の名前にしておいた。早くそれを寄越せ。」とギジュン。
「もう何も問題はありませんから、心配いりません。」

テソンは、二人が持ってきた封筒から書類を取り出します。
その権利書には、キム・テソンの名前が。
「お前達、本当によくやった。」と喜び合う4人。
「金の価格は常に変動している。キム・テソンの人生に新しい光が見えたぞ！」
そしてテソンは、皆で食事に行くぞと大家の娘に言いますが、
「50万ウォンを超えるときには、うちの父さんの許可がいるのよ。」
「それなら、49万貸してくれ。」とテソン。

ミスぺクは、ドチョルに金を差し出します。
「オッパが昨日貸してくれと言ったお金です。200万ウォン…」
「いやぁ、本当にありがとう！できるだけ早く返すから…。」
「ゆっくりでいいのよ。もし時間があれば…。」
「悪いが、今時間がないんだ。」

食事に行ったテソンは、「ドチョルはどこだ？」と。
「約束があるって出かけて行ったわ。」
「おい、また博打に行ったのか？マンス、もしドチョルと博打に行ったら、ただじゃ済まないぞ。わかってるな？」
「心配いりませんよ。そんなことはありませんから。で、土地が手に入ったら、それですべて可能なんですか？つまり、許可のようなものは必要ないんですか？」
「マンス、俺は20年もこの事業に人生を賭けてきたんだ。ちゃんと準備してきたんだから、心配するな。」
「ミスぺクの父親が寄越した金は、いくらなの？掘り始めるのに十分なの？」
「足りないな。」
「それじゃどうするの？」
「ピルド…。奴の金を使おうと思っているんだ。」
「気でも狂ったの？あんな目に遭って、まだピルドの金を？」
「あいつは俺のプライドの傷つけた奴だ。そのままにしておけるか？まぁ見てろ。」
テソン達の様子をカメラに収める男…。

ドチョルは、カフェにいるミランのところへ。
「私を知ってるの？」
「もちろん！インジングループの末娘、ユ・ミラン。」
「あなた、そんな口のきき方で一体何者なの？」
「あんた、チョンダンドパラダイスへよく行くだろう？オッパが部屋を取ったから、一緒に行こう。」
「一体何なの？」
「俺か？怠け者（？）だ…。」

ドヒョンは、オフィスでミョンジュンの言葉を思い出します。
そこにイネが。
「ブラックカードは限度がないことを知ってるでしょう？ドヒョンさんがそれで買ったものは、ローンアジアが決済するわ。その車のキーは、最近疲れているようだから、元気を出してもらうための私からのプレゼントよ。駐車場に見に行って。」
新しい車を走らせながら、ジョンヨンを想うドヒョン。

ジョンヨンは、友人にお金の相談を。
「で、何に使うの？」
「事情があるの…。」
「イライラするわ。どうしてあの金持ちの恋人を振って、こんな貧しい女からお金を借りようとするの？」
「そのとおりね。」
「後悔しているの？」
「いいえ…。」
「本当にどうして別れちゃったの？」
「もし愛している人が火の中に飛び込んだら、あなたどうする？」
「それは止めるわよ。」
「あの人は、ろうそくの灯りに群がる蛾のようにお金への欲望に釣られてしまったのよ。そのせいで彼の人生は間違いなく破滅する。それを知って、私は彼を引き戻そうとしたわ。でもあの人は、私を振り切った。そういうことよ。」

帰宅したジョンヨンは、父に3000万ウォンを差し出します。
「どこでこれを？」
「貯金を下ろして、ローンを組んだの。明日、あと1000万手に入るわ。だから、すぐ必要なものにこれを使って！」
「すまない…。」
「すまないなんて父さんが言ったら、私はどうするの？医者になる代わりに、稼ぎの少ない看護師になったことも申し訳ないし、娘としてお婿さんを家に連れてこれなかったことも申し訳ないし…。だからもう何も言わないで。」

寝ていたドヒョンの自宅に、ジヌがやって来ます。
「大変なんだ。何者かが、昔のことを探っているんだ。5年前、お前がヨイド（韓国のウォールストリート？）にいたときのことだ。明け方電話があったが、かなり深刻だった。」
「心配いらない。」とドヒョン。
「おい、心配いらないってどういうことだ？あれで、人生が終わりかけたんだぞ。」
「あのとき、俺がどうやって逃れたか覚えてるか？あのことで引っかき回せる奴はいない。大事にはならないからあまり心配するな。」

ソンジュンにドヒョンの調査結果を報告する秘書。
「一発で奴を落とせるものを見つけました。5年前、ヨイドで事件がありましたが、それはキム・ドヒョンが仕組んだことだったんです。」

往診を終え帰ろうとするジョンヨンに、ミョンジュンは言います。
「キム・ドヒョンさんがアメリカから戻ってること、知ってた？帰国するなり、すごい勢いだ。」
「私には何の関係もありません。」
「復讐したくないの？」
「どうして私がそんなことを考えなくちゃいけないんですか？」
「あの人はジョンヨンさんを捨てたじゃないか。金に目がくらんで…。」
「そんなことじゃないんです。私が復讐するとしたら、それはキム・ドヒョンさんじゃなくて、あの人を盲目にした人でしょう？」

ジョンヨンの言葉に、ミョンジュンはイネの言ったことを思い出します。
「今私には、キム弁護士はすごい能力を持った競走馬に見えるわ。でも、レースが始まったら、よそ見をして道を見失ってはいけないの。ゴールを見つめ続けなくてはいけないのよ。」
「自分のお金のために、彼を恋人と別れさせたの？」
「私がしなくても、彼は自分でその問題を片づける必要があったのよ。」
そして別の日の会話も…。
「ある人は、それをコンプレックスにとりつかれていると言うかもしれない。それも仕方がないわ。どこに向かっていて、どこで止めるのか自分でもわからない…。」

ミョンジュンは、慌ててジョンヨンを追いかけます。
「取引しないか？僕の残された時間、ジョンヨンさんにそばにいて欲しいんだ。その代わり、ジョンヨンさんの望むこと何でも僕がしてあげる。」
「それがたとえユ・イネ代表に復讐することでも？」とジョンヨン。

ギジュンは、チェ代表に事の顛末を話します。
「今までの人生で、こんな罠にはまるとは思いもしなかった。彼らがたいしたものを私から取らなかったから、余計困惑しているんだ。」
「何を取ったんだ？」
「彼らが欲しがったのは、金じゃなくて土地だったんだ。」
「土地？どこの土地だ？」
「元々ゴルフリゾートのために買ったんだが、開発されないままだった土地だ、ヨンドンの…。」
ヨンドンと聞いて、顔をしかめテソンの写真を見つめるチェ代表。
「父さんとイネに知られないよう、思い知らせてやってくれ。」とギジュン。

打って変ってテソンに低姿勢の金貸し（ピルド？）
「過去のことは忘れましょうよ。で、どうして私を？あぁ、金が必要なんですね？」
テソンは、金の混じった石を彼に見せます。
「私ともう一度金鉱を掘ってみないか？」

チェ代表はイネのところへ。
「最近はどうなの？」とイネ。
「ときどき会長に電話をして、あとは財産の移行処理をしている。君は忙しいようだな。銀行の乗っ取りの話を聞いた…。」
「どこでその話を聞いたの？」
「ソンジュンがそれを知っているようだ。だとしたら、気をつけないと。ソンジュンが君に対してどんな気持ちでいるかは言う必要がないだろう。」

イネは、ドヒョンを呼び出します。
「買収計画の計画に何か間違いがあったようだわ。ローンアジアが進めた敵対的買収のため、私達はあまりにも多くの非難を浴び危険な状態…。それを見過ごしていたのよ。買収の過程でローンアジアの役割が露呈したら、我々に対する反発が起こる危険があるわ。そうなるとすべての作戦が失敗するかもしれない。」
「それじゃどうすれば？」とドヒョン。
「ハンユン銀行の乗っ取りを遂行するために、私達は会社を別にする必要があるわ。会社の名前は、ローンコリア、代表はドヒョンさんよ。」
「私が、代表に…。」とドヒョン。

すぐにドヒョンは、作戦チームに…。
「よく聞いてくれ。ハンユン銀行を乗っ取るのはローンアジアではなく、新しく起こした会社になる。会社の名前は、ローンコリアだ。最終的に買収するのは、ローンアジアではなく、ローンコリアになるんだ。言いかえれば、ここにいる全員が、このプロジェクトだけのために雇われた契約社員ではなく、ローンコリアの正式な社員となる。OK？」
喜ぶチームの面々…。
「ローンコリアの代表は誰なんだ？ユ・イネか？」とジヌ。
「いや、俺だ。だから、絶対に成功させなくちゃいけない。」

ハン・ジャンソクはドヒョンに言います。
「大丈夫なのか？お前が代表になるということは、悪くするとすべての法的責任がすべてお前にかかることになる。」
「その通りだ。」
「それでもいいのか？」
「心配するな。何も悪いことにはなるはずがないから…。」

ローンアジアのスタッフ達。
「キム・ドヒョンさんのこと聞きましたか？」
「ハンユン銀行の計画は、別会社で動くことになるんです。」
「会社の名前はローンコリア、代表はキム・ドヒョンさんです。」
「代表とキム・ドヒョンさんの個人的な関係があるとしても、あり得ない…。」

ソンジュンに、若い男性を紹介する男。
「後輩のユン・ギユク？検事です。」

ソンジュンは、話を始めます。
「今から5年前のことだが…。ヨイドで株価が大きく動いたことを覚えているか？」
「もちろん。あれは、私が税務調査部にいたときのことだったから…。」
「それじゃ、あんな大騒ぎにもかかわらず、すべてがうやむやになった理由を知っているだろう？」
「私の調査がだめになったのだから、上のほうで何らかの取引があったのだろう。そう思ってるが。」
「大統領選挙のための政治資金が関わっていたんだ。株価操作が巨額の現金を生み出し、選挙資金に流れ込んだんだ。聞いた話では、その黒幕はイ・チャングク議員だったそうだ。だから、検察でさえ何もできなかったんだ。だが、お分かりの通り、今じゃイ・チャングクも歯の抜けたトラだろう？彼に一矢報いたら面白いと思わんか？スター検事になれるぞ。」
「面白いとは思うが、そう簡単にいくか？」
「私がその方法を教えてやる。あの株価操作を実際にやった奴を知っているんだ。そいつはそのときの人生と縁を切り、別の社会で生きている。もう議員の盾に守られてはいないんだ。そいつを探ってみれば、きっと答えが見つかるぞ。」
「誰なんだ？」
「キム・ドヒョンという奴で、今は弁護士だ。」
「今、キム・ドヒョンと言いましたか？」と驚くユン・ギユクに、
「知ってるのか？」とソンジュン。
「はい、法科院の同級生です。」
「それじゃ、どんな奴かよく知っているはずだ。」

ソンジュンと別れ、男はギユクに感想を訊ねます。
「探ってみる価値はあると思います。」
「同級生でも大丈夫なのか？」
「それほど親しかったわけじゃありません。それよりいつもやり合っていました。」
「それでどんな奴なんだ？」
「ずば抜けていますが、コンプレックスの塊です。」

ソンジュンは、再びイネのスタッフに会います。
「どうです、考えましたか？」
「私への提示を、お受けします。」
「よく決心してくれました。それじゃ、こうしましょう。ハンユン銀行の買収が済むまで、ローンアジアにいてください。そのほうが私の役に立ちますから。」

作戦チームのオフィスにやって来たドヒョンに、「ちょっと話そう。」とジヌ。
「一体何事だ？」とドヒョン。
「検察庁から電話があった。お前に来て欲しいと言っている。」
「なぜだ？」
「何を言ってるんだ。5年前のことに決まってるだろう。だから言ったんだ。誰かが、あのときのことをほじくり返しているんだ。どうしたらいい？」
「俺が言ったように、誰もあの事件を取り上げることはできない。仮に俺に何かあれば、他の人間すべてに被害が及ぶんだ。心配するな。」

検察庁に出向いたドヒョンの前に、「久しぶりだな。」とギユクが…。

ソンジュンは、チェ代表のところへ。
「これで、私が耐えてきた屈辱をすべて返すことができる。」
「まだ終わっていない、あまり自信過剰になるな。」
「私を見くびっていませんか？今度は自信があるんです、見ててください。」

そこにソンジュンの秘書が。
「キム・ドヒョンが、検察の尋問を受けました。」
喜ぶソンジュン。

イネに報告する秘書。
「問題がおきました。キム・ドヒョンさんが、検察に召喚されました。」
「何のために？」と驚くイネ。

ギユクの尋問は続きます。
「弁護士として知っていると思うが、我々が事件を担当したら、検事はその人間の弱点を探すところから始めるんだ。我々の持っている情報が弱いか、あるいは重いかは、それを見て判断できる。それが政治的なものと関係があれば、なおさらだ。この事件を私がどう感じていると思う？私が持っている情報は、間違いなく重く興味をそそるものだ。そこに黙って座っていることが、これから逃れることにはならない。」
「これは違法行為ではありませんか？私が、あなたよりはるかによい目を持つ弁護士だということを忘れているようだ」
「忘れてはいない。だからこそ興味があるんだ。君がどうやってこの件から逃れるかが…。忠告してあげよう。イ・チャングク議員がまた助けてくれると思っているだろうが、彼にはもう何の力もない。君はもう、終わりだ。」

イネは電話を。
「彼は検察に呼び出されたけど、これは単なる調査ではないわ。いいえ、もし今度何かあれば、私は彼を解雇しなければならない。そうなるのは悲しいけど、仕方がないわ。」

自分が罠に嵌ったことを知り、大正法律事務所へ乗り込むソンジュン。
その帰り、ドヒョンがアメリカに出発することを知った彼は空港へ急ぎます。
しかし、ドヒョンは既に機上の人と…。

ソンジュンは、ピルサンのところへ。
「父さんも私も、イネに騙されたんです！」と訴えるソンジュンに、
「イネが会社の金を失ったのか？恥知らず、出て行け！」と取り合わないピルサン。

デパートで友人にドヒョンと別れたと話すジョンヨン。
「別れたというのとはちょっと違うわね、婚約解消が正しいわ。
最初は辛かったけど、もう2カ月経ったから今は大丈夫よ！」

そのとき大勢の部下に囲まれ出勤してきたミョンジュンが。
何も言葉を交わさずすれ違う二人…。

会議に出席したミョンジュンは、しっかりと自分の意見を。
重役達は、彼への認識を改めます。

買い物から帰ったジョンヨンに、父は訊ねます。
「もうドヒョンとは望みはないのか？」
「ないわ。」
「今まで一緒に過ごした時間は、結局そんなものだったのか…。」
「彼はもう戻らないわ。遠くへ行ってしまったのよ。父さんも彼のことは忘れるべきよ。」

NYから帰国したイネは、秘書からソンジュンのことを知らされます。
チェ代表からも、心配する電話が。
「今度ばかりはどうしていいかわからない。イネも、あの兄の気性を知っているだろう。
彼は今考えられないほど怒っているんだ。とにかく会って相談しよう。」

その電話を立ち聞きしていたソンジュンは、イネの居場所を訊ねます。
「そう焦らずに聞いてくれ。こんなことを続けていたら、助けたくても助けられないじゃないか。
イネが会長の後継者となり遺産を相続が始まったのだから、
あなたが何も得るものがないことは明らかだ。感情的になっているとまた騙されるぞ。」

NYのドヒョンに電話するイネ。
「トレーニングばかりじゃなくて、ロードショーにも行かなくちゃ。投資のために行くのよ。
大きな事業投資家とのビジネスミーティングをロードショーと言うの。
有力者に会い、彼らが何に興味を持っているかを見てくるのよ。

彼らの動きのパターンを知ったら、あなたの市場を見る目も変わって来るわ。」
そう言って電話を切ろうとしたイネに、ドヒョンは
「ちょっと待ってください。ユ・ソンジュンがすべてを知ったと聞きましたが…。」
「わかってしまったものは仕方がないでしょう。私が処理するから、心配いらないわ。」とイネ。

婦長の指示を受けたジョンヨンは、医師と一緒にピルサンの屋敷へ向かいます。
点滴を受けるピルサン、不安そうに待つイネ達。
そこにチェ代表が、「深刻な状態ではないから、心配はいらない。」と。
「病院へ行くべきだろう。どうしてこんな面倒なことを…。」とギジュン。
「よくなるまで、キム先生達が一緒にいてくださる。」とチェ代表。

そこにソンジュンがやって来ます。
二人で話をするイネとソンジュン。
「お前がこうするだろうとは思っていた。それはいいだろう。
だが自分を守りたいのなら、父さんのところへ行って、真実を話してすべてを元に戻すんだ。
大人しくこれを解決するのなら、何もなかったことにしよう。
そうでないと、何をするかわからんぞ。」
「先に言っておくけど、法的なことは終わったし物理的にももう防ぎようがないわ。
会社の資金を使って株価を操作したことは否定できないのよ。
法の助けを得ようとするなら、私は止めたりできないけど。
代わりに、私に謝って助けるよう頼んだら？
そうすれば、インジンキャピタルはまた兄さんのものになるわ。」
「黙れ！俺を完全に陥れたつもりかもしれんが、俺はそんなことで諦めるような人間じゃない。
小さいころお前も見ただろう。欲しいものが手に入らないと、俺がどんな人間になるか…。」

心配するミョンジュンに、「なんでもないわ。」とイネ。
彼女は、会社の役員が彼を誉めていたことを話します。
「何か難しいことがあれば、いつでも私に連絡しなさい。」

そこにジョンヨンが歩いて来ます。
「キム先生のところに来たのね。元気だった？」と言うイネに、
「もちろんです。元気でない理由などありません。」とジョンヨン。
「安心したわ。父さんをよろしく！」

ミランに用事があると屋敷に残ったミョンジュンは、ジョンヨンのところへ。
「君が往診に来るとは知らなかった。」
「誰かに呼ばれたら、行かなくちゃいけないのよ。」
「父さんは、病院にいるのが本当に嫌なんだ。医者を信用していない。
父さんにとって、病院のオーナーでいることは、自分の想像力を高める一つの手段なんだ。
さっき、元気にしていると言っていたが、それは本当なの？」
「私がどうしていようと、あなたやあなたの家族には何の関係もないわ。」
「疲れたり悲しいときにはいつでも、僕を利用していいと言ったこと、
覚えてるだろう？まだそれは有効だから、忘れないでくれ。」
何も言わずにミョンジュンは立ち去ります。

チェ代表と話すソンジュン。
「俺の気持ちがわかるのなら、準備を始めてくれ。
イネもそしてあのキム・ドヒョンも、俺は今すぐ奴らの息の根を止めてやりたいんだ。」
「もう一度言うが、君が戦おうとしているイネとキム・ドヒョンは、恐るべき敵だ。
何か間違いを犯せば、君はこれからずっと苦しむことになりかねない。」
「こんなことを言って悪いが、正直どうしてチェ代表が俺の側でないのかが全くわからない。
もし何か他に考えがあるのなら…。」
「本当の戦いが始まったら、どちらにつくか自分で見極める。…。
私を信頼できないようだし、私はもう辞めるたほうがよさそうだ。」
そう言うチェ代表を止めるソンジュン。
「君の側にいなかったのは、自分のためなんだ。」とチェ代表。

そして、ドヒョンが韓国に戻って来ます。
すぐにイネの指示を受けた部下と打ち合わせをするドヒョン。
イネの待つオフィスのロビーでは、ローンアジアの買収に反対する人達の抗議集会が。
その中には、ジョンヨンの父も…。

遅れて買収に関する席についたドヒョンは、
相手の会社の代表による不正を暴露し、話しあいに決着を。
大きく成長し自信にあふれるドヒョンを称えるイネ。

二人になり、イネはドヒョンに言います。
「完璧に狙いを定め、躊躇うことなく引き金を引くスナイパーのように見えるわ。
これからのドヒョンさんのターゲットが気になるわ。」
「既にターゲットは見つかりました。」と書類をイネに渡すドヒョン。
「ちょっと大き過ぎない？」
「任せてください。もう手をつけています。」
「よく見てみるわ。私が決断するまで、このことは私達だけの間で…。」

1年ぶりに自分の部屋に戻ったドヒョンは、ジョンヨンとの写真を引き出しに…。

大学での講義が終わり出てきたジョンヨンの前にミョンジュンが…。
しかし、声もかけずそのまま通り過ぎるミョンジュン。
バス停にやって来た彼女は、今度はドヒョンの父テソンを見かけます。
金の無心の電話を終えたテソンは、ジョンヨンに「あの事故の後、結婚できたのか？」と。
「いいえ…。」
「何てことだ。まだ結婚式をしていないとは…。」
「私、ドヒョンさんとは別れたんです。」
「いつそんなことに…？理由はよく知らんが、あいつが何かしたのなら、許してやらないと。」
「私がいけないんです。それじゃ、私は失礼します。」とバスに乗るジョンヨン。

テソクは、ドチョルとマンス、チョンジャを連れて山の中の廃坑へ。
「ここに日本人が金を隠したんだ。私が見つけて掘り出そうとしたんだが、
ユ・ピルサンがこの土地を買ってしまった。奴が、俺からこれを奪ってしまったんだ。」
「でもどうしてそれをそのままにしておいたの？」とチョンジャ。
「奴らはここに金があることを知らない。」と言うテソンに、
「父さん、この土地はインジン建設のものなのに、どうやって金を運び出すんだ？」とドチョル。
「何があろうと、俺達はこれを手に入れるんだ！」

ドヒョンのところにヒョン・ジヌが。
「死んだと思っていたが、元気そうだな。」
「見た目は大丈夫だが、俺の心の中は、もう壊れてしまった。」とジヌ。
「あいつらはどうしてる？」
「ヨイドに行った。ユ・ソンジュンは本当に最悪だ。」
「すまなかった。俺の責任だ。まずこれで準備をしてくれ。」
「何をするんだ？」
「世の中をひっくり返すんだ！」とドヒョン。

車に乗ろうとしたドヒョンに、ソンジュンの部下達が声をかけます。
「キム・ドヒョンさん！ユ・ソンジュン代表をが会いたいそうです。行きましょう。こいつらは怖いですよ。」
黙って従うドヒョン。

ソンジュンは、いきなりドヒョンを殴りつけます。
「少しは怒りを収めておかないと話ができん。このゴルフクラブで殴ってしまうかもしれないからな。」
そして、男達を下がらせたソンジュンは、話を始めます。
「たいしたもんだな。ここに連れて来れば、震え上がると思ったが平然としているとは…。
それが俺を怒らせるんだ。」
「勝負はもう終わったんです。
あなたは感情を失わないようにしていれば、代表の座を失うだけで済むんです。」
「わかってる。ゲームがもう終わったのに、またそれを引っかき回すつもりはない。
だが、まだ言いたいことはある。だからあんたに来てもらったんだ。
あんたは大きな間違いをしでかした。俺はあんたを殺したい、いや死んでもらうつもりだ。
何があろうと絶対にそうしてみせる。」
「私も言いたいことがあります。もしそうお考えなら、そんなものは捨ててください。
私にはまだ長い道のりがあるんです。それを邪魔する人間は誰でも、必ず排除します。」
「本気で私の前に立ちはだかるとは、気にいったぞ。どうして敵同士になったんだ？
こんなふうに出会わなきゃよかっただろうに…。よかろう、最後までやろうじゃないか。」

チェ代表は、ピルサンのところへ。
「どうした？私の生死を確かめに来たのか？いいだろう、連絡しようと思っていたんだ。
子供達はどうしてる？」とピルサン。
「何も問題はありません。」
「あいつらは、爆発寸前の爆弾のようなものだ。何もないとはがっかりだ。
で、ソンジュンはちゃんとやっているのか？」
「資本を集めて、小さな投資会社を立ち上げました。」
「また何かやるつもりなのか？」
「いいえ。」
「今移動中の財産の残りをソンジュンに渡せ。」
「ユ・イネ代表には相談なさいましたか？」
「私の金は私が好きなようにする。言ったとおりにするんだ。」

チェ代表からの知らせに喜ぶソンジュン。

一方、事務所を構えたテソン。
彼は仲間にぺ・ジャミという女を紹介します。
「父さん、誰だい？」とドチョル。
「あの子は、この事務所を使わせてくれ、金も出してくれた人の娘さんだ。その人は、
俺達が金を無駄にすることを心配して、自分の娘を俺達の見張りに送って寄越したんだ。
だからあの娘にはちゃんとするんだ。」
そして、マンスに「頼んだものを見つけたか？」と。
「インジン建設の社長ユ・ギジュンは、3回も離婚しています。女性スキャンダルがいっぱいですよ。」
「チョンジャ、できるか？」と言うテソンに、「心配いらないわ。」とチョンジャ。
「彼は女優としか遊ばないって聞いたけど…。彼女を選ぶかどうか…。」とドチョル。
「今でも私を見下しているの？私が望めば、明日にでもあんたに私をオンマと呼ばせられるのよ。」
「何を言っているんだ？もういい。とにかくいい計画を考えろ。」とテソン。

突然車の前に飛び出し倒れたチョンジャを車に運ばせるギジュン。
その様子を見ながら、「本当に落ちるかな…。」と言うドチョルに、マンスは、
「おい、お前は知らないかも知れんが、彼女は本当に恐ろしい女なんだ。
彼女がそうしようと思えば、韓国中の男はイチコロさ。爺さんだって元気にさせるんだぞ。」

ジョンヨンの父ヨングクのところへ男が。
「聞いたか？ソンボン鉄鋼？が、ローンアジアに買収されるそうだ。」
「そのほうがいいんじゃないか？」
「どういうことだ？」
「俺達が集会で抗議したところで、奴らは俺達の面倒を見てはくれなかった。
イライラさせただけで、何もいいことなんかしてくれなかったんだ。
代わりに新しい経営者が来るほうがずっといいのさ。」
「何を言っているんだ。自分のところを閉めることになるかもしれないぞ。
ローンアジアの人間はさらに悪いんだ。俺達の仕事を中国に持っていく計画なんだ。」

酒を飲んで家に帰ったジョンヨンの父ヨングクは、
「キム・ドヒョンの働いている会社は、ローンアジアだったよな？」と。
「そうだけど、どうしてそんなことを？」
「いや、ちょっと…。」と自分の部屋で考え込むヨングク。

チョンジャは、ギジュンと食事を。
「失礼ですが、どんなお仕事をなさってるんですか？」
「小さな建設会社を経営しています。」
「何という会社ですか？」
「たいしたことはありません。あなたは？」
「こんなことをお話しするのは恥ずかしいのですが、離婚して家で独り暮らしをしています。」
「これは運命ですな。私もずっと独り身です。」
そこを通りかかるテソンに、「オッパ！」とチョンジャ。
テソンは、「ユビン！」とテーブルに近づいて来ます。
「私の従兄です。」とチョンジャ、そしてギジュンのことを「私の運命の人よ。」とテソンに。
「それはよかった。私はキム・テソンです。どうか私のユビンをよろしくお願いします。」
「時間があるなら、座って！いいでしょう？」
そしてチョンジャは、テソンをキルギスタンの企業の人間だとギジュンに紹介します。

事務所に戻ったテソンは、「必ず落ちるぞ。お前が彼を押せば、すぐに終わるだろう。」と。
「どうせなら、全部剥ぎ取ってやろうかしら？」とチョンジャ。
「おい、欲張るな。俺達は、金のための土地だけ手に入れればいいんだ。」

ミランは、イネに自分の仕事の計画書を渡します。
「この1年、もう2回も失敗して諦めたのかと思っていたけど、何か思いついたようね。」
「これがだめなら、もう止めるわ。」
「わかったわ。ミョンジュンとはよく会ってるの？」
「アメリカから戻ってからは会ってないわ。
最近忙しいみたいで、電話にも出てくれないのよ。姉さんは？」
「私もよ。近いうちに一緒に食事でもしましょう。」

買収について会議で検討するイネとドヒョン達。
話が終わりかけたとき、男が言います。
「工場の外で抗議集会をしている。あれが続けば、ことがややこしくなる。」
「その件は、私が処理します。」とドヒョン。

シャッターの下りた父の作業所にやって来たジョンヨン。
彼女は、近所の男からこのところずっと閉まっていたことを知らされます。
その頃父ヨングクは、抗議集会に。

ジョンヨンは、男の言葉を思い出します。
「買収されたら、このあたりの数百の作業所が店を閉めなくちゃならなくなる。
あんたの父さんは、去年家を担保に銀行から金を借りただろう。
それで銀行に家を取られるんじゃないかと心配していた。どうしてそれを知らないんだ？」

買収に反対する人達の前に立つドヒョン。
「ローンアジアの者として、ここにいる皆さんに話があります。
あなた方にご迷惑をお掛けして大変申し訳ありません。ですが、
皆さんは工場の経営が悪化していたことをはっきりとわかっていたはずです。
ローンアジアが買収しなければ、この工場は大変厳しい状況に直面していたでしょう。
我々ローンアジアは、事業を立て直すためにも中国に納入業者を変えるしかなかったのです。
今ここにいる私が、皆さんに約束します。
事業が安定したら、我々の納入業者としてあなた方との協力体制を回復します。」

抗議者達は言います。
「俺達を馬鹿にしているのか？
俺達だって、ローンアジアが企業を乗っ取り屋だとういうことくらい知っているんだ。」
「あんた達が関心を持っているのは、会社を売ったり買ったりすることだけだろう！」
「いいえ、違います。そんなことはありません。」とドヒョン。

抗議者達は、彼の言葉を遮り、また叫び始めます。
彼らを止める男達。そしてドヒョンは、
「これが最後の警告です。冷静に話し合いますか？それとも暴力を行使しますか？」

そこへタクシーを降りたジョンヨンが。
そのとき父ヨングクが声を上げると、ドヒョンに話しかけます。
「ちょっと待ってくれ。久しぶりだな。お前も知っているように、
私は30年以上も汗水たらして生計を立ててきた。だが、こんな馬鹿げたことは初めてだ。
金持ちは、そういう決断をする彼らなりの理由があるのかもしれないが、考えてみろ。
ここにいる全員がこの工場に納品することで毎日の生計を立てているんだ。
それを彼らから取り上げるつもりなのか？そんな話があるのか。
既にたくさん持っている人間が、さらに多くをつかみ取ろうとする。
一体どういうことなんだ？たとえそれが会社の下した決断だとしても、
お前はそれをそのまま実行しなくちゃならないのか？」
「この決定は既に下されたものです。撤回することはできません。」とドヒョン。
「お前は、本当に私の知っているキム・ドヒョンなのか？」
「我々が法的措置をとるまえに、解散してください。」

ドヒョンの言葉に、「やってみろ！」と叫ぶ男。
他の人達も一斉にドヒョンに詰め寄ります。
「彼らを呼んでくれ。」とドヒョン。
抗議者達を殴り始める男達。
ジョンヨンは、血を流して倒れこんだ父のところへ駈け寄ります。

第1話
西暦645年春、高句麗28代宝蔵王（ポジャン王）の治世。
唐の皇帝イ・セミン（李世民＝太宗）は、100万を越す大軍を率い、高句麗に侵攻を開始した。

遼東（ヨドン）城（コ・サゲ将軍）の総司令官は、テ・ジュンサン（テ・ジョヨンの父）。
捕えた人民を盾に攻撃をしかける唐軍に対し、高句麗側は必死に戦い勝利するが、
唐軍の契丹出身の兵士ソ・リンギの策略により、大事な食糧保管庫を破壊されてしまう。
形勢逆転、さらなる唐軍の激しい攻撃に、落城は時間の問題と考えたテ・ジュンサンは、
自らの手でイ・セミンを倒すため、敵陣に潜入して暗殺の機会を狙うが…。

第2話
結局、テ・ジュンサンは暗殺に失敗…。
しかし、彼の勇敢さを認めたセミンは打ち首の代わりに彼の部下との闘いを命じる。
その死闘の最中、遼東城の城門が突破されたとの知らせが…。
遼東城で生き残った者たちは安市（アンシ)城へと逃げのびていった。

一方、試合に勝ったものの捕虜となり木に吊るされたジュンサンは、
功を認められず彼の見張りをしていたソ・リンギと共に敵陣脱出に成功。
途中追手に囲まれるが、親友プ・ジグァンに助けられ窮地を脱する。

皇帝イ・セミンの次の狙いは平壌城のアナク(安鶴)宮にいるヨンゲソムン…。
何としても唐軍の平壌侵攻を食い止めたい安市城将軍ヤン・マンチュンは、
かつてウルチムンドク将軍が破った隋の旗をジュンサンに託し、イ・セミンに届けさせる。
それはイ・セミンを挑発して安市城へ誘い込むための策だった…。

しかし唐は、プ・ジグァンの家の使用人シン・ホンを使い
捕えたの家族の命と引き換えに安士城の門を開けるようプ・ジグァンに圧力をかける。

第3話
異変を感じたテ・ジュンサンは、親友プ・ジグァンに対する監視を強める。
結局プ・ジグァンは門を開けるが、それは自らの命をかけて唐軍の裏をかく秘密の作戦だった。
そうとは知らぬテ・ジュンサンは、プ・ジグァンを自分の手で殺してしまう。

プ・ジグァンの死により計画が狂い逃げ出す唐軍…、戦はまたもや高句麗軍の勝利に。。
追いつめられた唐軍の指揮官江夏（カンハ）王（イ・セミンの甥）を救出するソ・リンギ…、
この働きにより、彼はついに遊撃将軍となることを許される。

多大な犠牲を出したにもかかわらず、唐軍は再び次なる作戦を…。

第4話
守りの固い安市城を攻略するために土山を築き始める唐軍。
城郭よりも高い土山から一気に攻め、兵士が城外に出てきたところを叩く作戦。

高句麗側は、土山を築かせないよう奇襲を決行するが、
それを予測し待ち伏せていたソ・リンギによって、作戦は失敗してしまう。

安士城内では土山対策として、唐軍の重みで土山を崩れさせるという
テ・ジュンサンの妻タルギの策を採用、人民の力も借り地下に空洞を掘り始める。

攻撃が迫る中、「王の気」を持つと言われる歳星（木星）が安士城内に落ちてくる。
その星の意味を知るイ・セミン、そしてヤン・マンチュン…。

その気を自分のものとするべく、イ・セミンは安士城への総攻撃を開始する。
必死に耐える高句麗軍…。
そして唐軍が土山に登り始めたとき、ヤン・マンチュンの合図と共に土山は崩れはじめ…。
その頃、テ・ジュンサンの妻タルギは出産の時を迎えていた。

第5話
高句麗の作戦は見事に成功、唐軍兵士や馬は次々と土ぼこりに飲み込まれていった。
呆然と見る唐の太宗イ・セミンと側近の武将達。
さらに高句麗の大莫離支ヨンゲソムン出陣の知らせを聞くイ・セミン…。
悪夢にうなされ戦意を消失した彼は、自ら撤退を決意する。

一方、テ・ジュンサンの妻タルギは元気な男の子を出産。
将来王となる星の下に生まれた子と聞き、驚愕するテ・ジュンサン。
ヤン・マンチュンはその子に思いを託し、「ジョヨン」と名づける。

テ・ジュンサンは、ヨン・ゲソムン大将軍と合流、再びその力を発揮する。
しかし、そこまで運命の子の噂が…。
ヨンゲソムンは、「流れ星の落ちた日に生まれた子共」のことをテ・ジュンサンに訊ねる…。

唐側
　イ・セミン = 李世民（ソン・ヨンテ）唐の皇帝太宗　「千秋太妃」、「王と妃」
　イ・ドジョン = 江夏王李道宗（チョン・ジェゴン）皇帝の甥　「イ・サン」
　ソ・リンギ = 薛仁貴（イ・ドクファ）契丹出身の武将　「千秋太妃」

高句麗側
　コ・サゲ = 高舍雞（キム・ジュヨン）遼東城将軍　「千秋太后」、「王と后」
　ヤン・マンチュン = 楊萬春（イム・ドンジン）安士城将軍　「王と后」
　テ・ジュンサン = 大仲象（イム・ヒョク）テ・ジョヨンの父　「千秋太妃」、「王と后」
　ヨンゲソムン = 淵蓋蘇文（キム・ジンテ）大莫離支（高句麗時代の最高官職）　「王と后」
　プ・ジグァン（パク・チイル）ジュンサンの親友　「千秋太后」

※　具体的に最終回の内容に触れています！

放送事故のことは別にして、何ともすっきりしない最終話でした。
放映の前の週あたりから、ニュース記事のタイトルである程度は予想していたものの、
まさかこんな結末だとは…。

そもそもこのドラマが評価された理由は、しっかりとしたシナリオと演出。
韓国ドラマに欠かせないくどいロマンスやドロドロしたいじめなど、
視聴者の興味をことさら掻き立てるようなものを入れず、
事件解決の糸口を探る法医学者達に的を絞ったドラマだったはず…。
その中で、命の尊さ、生きることの喜びを伝えるドラマだったはずなのです。

そのドラマの主人公である法医学者が、たとえ証拠がないからといえ、
自ら我が身を証拠と引き換えにするなんてことがあっていいものでしょうか。

涙を流しながらジフンの荷物を整理するダギョンの後のシーンも何とも…。
ウジンとイハンカップルのノー天気ぶり…。
そして明るい国科捜の研究員達…。
その中には、自分の保身のためにあの証拠をすり替えた研究員も笑顔で。

一体この演出で最後に何を訴えたかったのでしょうか。

第1話が面白いドラマはたくさんありますが、
最終話をきちんとまとめるドラマは、本当に少ないですね。
19話までが非常によかったので、なおさら残念でした。